第4話

3日目
659
2019/03/27 12:09
いつも、あの子は俺よりも先におる。
って言っても君と出会ったんは3日前。


桜の木の下の不思議な少女。



あなた『恭平くん!やっほー』



高台につくと当然のように彼女はそこにおる。


恭平「ども。」
あなた『ねぇ。今日はちゃんと学校行くんだよ?』
恭平「もちろん。行くつもりっすよ。
俺、皆勤賞目指してるんで。」
俺がそう答えると彼女はおかしそうに
あなた『昨日、休んだからもう無理でしょ』
と言ってきた。




恭平「わかってますよ。ボケっすよ、ボケ」



俺がそう反論すると



あなた『嘘だ。さっきの顔は本気だった!』



からかってくる彼女。



3日で随分と仲良くなった気がした。




あなた『ってかさ、なんで恭平くんは敬語なの?』


言われてみれば、俺は彼女と出会ってからずっと敬語だ。


恭平「なんでなんすかね。年上かもしれないじゃないすか。」




あなた『へー。たぶん同い年な気がするけどな…』

あなた『私、18歳。恭平くんは?』
恭平「18っす。」
あなた『ほら、同い年だ!今から敬語なしっ!』





ね?と上目遣いで見つめる君は、ずるい。



恭平「わかった。」





あなた『あっ!恭平くん!学校!』





楽しい時間は終わるのが早い。





恭平「じゃあ、明日。」






あなた『うん。ばいばいっ!』







タメ…ってことは
なんで高校に行かないんだろう。


なんとなく、その答えがわかっちゃいけない気がして
俺は、その疑問を振り払うように
学校まで全力疾走した。

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