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第1話

プロローグ
792
2019/03/22 03:50
春、桜が咲いた。


あぁ、あれから、もう1年が経ったのか。
長くて、短い1年間。
季節は巡り巡って君と出会った、あの季節になった。
自然と俺の足はあの場所に向かっていた。
君と出会ったあの場所に。






久しぶりだな…
ここに来たのは、
君が俺の前から消えた、あの日以来だ。



『久しぶりだね。恭平くん。』




あの子の声がした。
あぁ、会いたくて、聞こえてきたんだ。
末期症状だな。笑える。






『恭平くんってばー。無視?』





振り返って、驚いた。
だって、
そこには、あの春、俺の前から消えた




君がいたんだから。

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