5日目の君はどこか元気がなさげだった。
俺は、明日は土曜日だから1日中あなたとおれる
と考えたらいつもより少し、テンションが高くなっていた。
だから、気のせいやと思った。
恭平「なぁ、あなた〜!俺の友達の長尾と道枝がなぁ…」
あなた『、うん…」
恭平「どしたん?元気ないやん。」
あなた『うんん。元気だよっ!』
"ふわり"といつものように君が笑うから
なんでもないんだって
思ってしまった。
いつも通りを演じた君に
騙されてしまった。
時間はいつも残酷で
俺と君とを簡単に引き裂いてしまう。
恭平「ほな、俺、行くな?」
あなた『、うん。』
恭平「そんな寂しそうな顔すんなって。
また明日来たるから、な?」
そう言ったら君は一瞬余計に苦しそうに顔をゆがめて
あなた『じゃあねっ!』
苦しそうな顔を隠すように明るく笑った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!