4日目。
もう彼女と会うのは日常になりつつある
別に約束してる訳やないけど
俺もあの子に会いたいし、
あの子もそこにおるから、
俺を拒絶してる訳ではないだろう。
あの丘に着くと
あなた『恭平くんっ!』
と嬉しそうに振り返る彼女。
その笑顔に胸がじんわりと暖かくなって
好きだなぁと思う。
多分、一目惚れだった。
彼女と出会ってから、
嬉しいことは真っ先に彼女に言いたいと思うし
面白いものは彼女に見てもらいたい、共有したいと思う。
俺の世界は、彼女が中心になっていた。
恭平「なあ、あなた〜」
あなた『ん?なぁに?』
柔らかな声で話す彼女の声は
ふわふわしてて羽毛のよう。
恭平「なんでも。ただ呼びたくなっただけ。」
あなた『なにそれ〜』
もっと、一緒におりたいのに
時間はそれを許してはくれない。
恭平「学校、行かな。」
あなた『もう、そんな時間か。』
俺がベンチから立つと
名残惜しそうに見つめてくる彼女。
そんなに寂しそうにされると
こっちも行きたくなくなる。
恭平「明日も来るから、な?」
そう言うと彼女は
あなた『うん、』
と小さく頷いた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。