第28話

 Lucas × Xiaojun 4 
10,814
2021/06/07 15:13
………


















収録が始まり、隣に座っているシャオジュンを見る。


普段なら、俺の視線に気づいて

俺と目を合わせながら

あの綺麗な笑顔で微笑んでくれるのだが、

今日は笑顔を見せるどころか、

俺と目を合わせる気配すらない。




結局、シャオジュンは俺の顔を1度も見ないまま

収録が始まった。






今日の収録は嫌なことに、

○○なメンバーは?

だとか、

○○するとしたらどのメンバー?

みたいな メンバー同士のケミを

強調するようなものだった。



シャオジュンは、どんな内容の質問をされても

必ずと言っていいほど俺を選ばなかった。

やっぱり、信用なんて簡単に失うんだな…




収録中にもかかわらず、そんなことを考えている俺に

司会の女性は質問を投げかけてきた。







『ルーカスさんにとって、いちばんイジりがいのあるメンバーは誰ですか?』

🦁「wow……シャオジュン?」

『確かに動画とかでもよくイジってますよね〜?これに対してシャオジュンさん、どうですか?』

🦖「や、ほんと大変なんですよ、笑
   暇さえあればすぐに変なことしにくるんで、」

🦁「やー、そんなことないだろ!?」

🦖「あるだろ!」







よかった、つい無意識のうちに

シャオジュンって答えてしまったけれど、

シャオジュンが返事をしてくれて、

上手に話してくれたおかげで

番組には影響してなさそう。



そんなトークが続いてしばらくした時、

司会の女性が






『ではシャオジュンさんはルーカスさんに対して、どんな風に思っていますか?』






なんて、際どい質問をした。

隣のシャオジュンが、ぴく、

と反応したのが嫌でも分かってしまう。






🦖『…そうですね、…いいメンバーです。WayVに欠けてはならない存在、ですかね。』

🦁「シャオジュン!そんなこと思ってくれてたのかよ〜!」






分かってる、

これがきっと番組用のコメントだってことは。


愛しているから、

嫌でもシャオジュンの事は分かってしまう。





番組用の言葉だとしても、

単純な俺は喜ばずにはいられなかった。




その時に、初めてシャオジュンと目が合った。


シャオジュンの瞳は、

悲しいようにも 怒っているようにも見えたが、

それよりもシャオジュンの心の奥底にある感情が

全く読み取れないようなものだった。


自分の瞳は、きっと ゆらゆら揺れている。




俺たち2人しか分からないような、

神妙な雰囲気に司会者は気が付かないまま

その日の収録は終わった。














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