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収録が終わり、
いつものように宿舎で晩御飯を食べながら
お酒を飲んで、パーティーのような事をする。
だけど俺のテンションだけ完璧に低い。
周りに迷惑をかけないようにしなくちゃ。
そう思うのに、返事の声も普段の何倍も小さいし、
1人でふらふらしてしまう。
しばらくみんなで酒を飲んでいると、
ウィンウィニヒョンとヘンドリーとヤンヤンは
部屋でゲームをしに、
クンヒョンとテンヒョンは
コンビニへ買い物をしに行った。
つまり、部屋には俺とシャオジュンだけ。
気まずくて、今にもシャオジュンは3人がいる部屋へ
逃げ出しそうだ。
俺がまた、お酒をぐいっと飲んだ瞬間、
シャオジュンは立ち上がろうとした。
🦁「 待って!!」
慌てた俺は 咄嗟にシャオジュンの腕を掴む。
あぁ、たった数時間触れていなかっただけなのに、
こんなにもシャオジュンの肌が恋しい。
そんな余韻に浸っていたのもたった数秒、
下から俺に引っ張られて
バランスを崩したシャオジュンは
俺のもとへ思いっきり倒れてきた。
🦁「っわ!!」
咄嗟にガードしたが、
これがまたバックハグのような体勢で、
2人の間にさらに気まずい空気が流れる。
沈黙を切り開いたのは、俺。
🦁「シャオジュン、ほんと、ごめん。」
シャオジュンが逃げないように
少しだけ力を込めて抱きしめる。
🦁「ほんと、ごめんな。シャオジュン。許してくれ、なんて言わないけど…でも、シャオジュンと こんな気まずい関係になりたかった訳じゃない…、ほんとに、愛してるんだ、、」
🦖「…なんだよそれ、」
🦁「愛してる、シャオジュン。」
🦖「……っ、まじでさ、あ、?」
シャオジュンの表情はよく見えない。
だからこそ、
シャオジュンの発する言葉 1つ1つに真剣に耳を傾ける。
🦖「すごい、プライド ズタボロにされて、悔しくて、なんでルーカスが、って…今日1日ずっと考えてた。」
🦁「…ごめん、」
🦖「許せなくて、許すつもりもなかったのに、…、、…れない、んだよ、」
🦁「え?、」
よく聞こえなくて聞き返すと、
シャオジュンは身体をぐるっとまわして、
俺と目を合わせるように 正面に座った。
そのシャオジュンの表情は、なにか困ったような顔で
少し紅潮していた。
🦖「…頭から、俺を襲ってる時の、ルーカスが…離れないんだよ、」
🦁「……は?」
🦖「だ、から…嫌なはずなのに…かっこよくて、その、、…きもちよくて、、…あぁ、もう!」
突然のシャオジュンの言葉に戸惑いが隠せない。
🦖「だから!……そんな謝るとか、無理矢理襲うんじゃなくて、…正々堂々告白、しろよ、、」
シャオジュンにそう言われて、ハッとした。
何やってんだ、俺は。
気持ちを伝える前に勝手に身勝手な行動をして、
現にそれでシャオジュンを傷つけいる。
🦁「ほんと、…順番、ちがったな。」
🦖「……ん。」
🦁「シャオジュナ、…世界で1番愛してるよ。」
🦖「………あっそ。」
顔を伏せたシャオジュンの耳が赤くなっていたが、
何も言わずに、俺はまた抱きしめた。
返事なんてなくてもいいから、
もとの距離に、、
いや…少しでも近づいたかな、なんて。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。