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🌱 Ririko_cさんリクエスト
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僕の恋人のジョンウは、
きっともう、僕の事は好きじゃない。
夜の行為がご無沙汰なのは勿論、
普通のデート、は…アイドルだからあまり出来ないけど
前よりも圧倒的に会う回数が減っていて、
僕に構うこと自体が少なくなっている。
ジョンウの気持ちがとっくに僕から離れていることに
気がついた時、物凄く胸が苦しくて、
心臓を鷲掴みにされてるようだった。
今でもジョンウの事を考えると、
胸が苦しくて、恋しくて、切なくて、
何種類もの感情が僕の心の中でぐるぐると渦巻く。
そんな時はいつも、みんなが寝静まったような時間帯に
ベランダで1人、特に何かをする訳でもなく静かに佇む。
今も、心を落ち着かせるために部屋着でベランダにいるところだ。
深夜の初夏の風が涼しくて、心地よい。
🐥「…潮時、とかなのかな。」
🦁「ウィンウィン哥、どうしたの?」
胸に溜まった蟠りを投げ出したくて、呟いていると
ルーカスがリビングに出てきていた。
聞かれてないかな、大丈夫かな。
話、そらさなくちゃ。
🐥「ん、なんでもないよ。…そういえば、ルーカスはシャオジュンと順調?」
🦁「wow…それ聞いちゃいます?」
🐥「聞かなくても幸せそうだね、」
🦁「へへ、やっぱ分かっちゃうのかぁ!」
ルーカスは幸せそうだ。
男同士、メンバー同士、
そんな点だと同じはずなのに、
何がこんなに違うんだろう。
俺もう寝ます、おやすみなさい、
と言って笑顔で去っていったルーカスが
今の僕には無性に羨ましくて、
僕は無意識のうちに、ジョンウに電話をしていた。
ワンコール、ツーコール、…
……出ない、か。
前までは一瞬で出てくれたのに。
これ以上電話をかけても惨めになるだけだ。
もう電話をかけないでおこう。
そう思った時に
🐶『よぼせよ、うぃんうぃにひょん?』
とジョンウの声が聞こえてきた。
本当にタイミングの悪い男だ。
🐥「…ぁ、ジョンウ…」
🐶『はい、ジョンウです。』
🐥「え、っと…」
電話が繋がった時のことなんか考えていなくて、
折角の電話なのに言葉が上手く出てこない。
🐥「ごめん、…その、用事とかはなかったんだけど…」
🐶『そうなんですか?てっきり急ぎの話かと思って…』
🐥「ううん、ごめん。声聞きたかっただけだから。」
🐶『…僕もヒョンの声聞けて、幸せです。』
🐥「ありがとう、…おやすみ。」
🐶『はい、おやすみなさい。』
音のしなくなった携帯電話を見る。
通話時間はたったの20秒。
なんだか、本当に潮時な気がしてきて
鼻の奥がツンと痛くなる。
ベランダの柵にだらんともたれかかる。
心地よかった涼しい風も、
今は心の芯まで冷やしてくるみたいに冷たい。
🐥「………風邪ひいちゃう。」
ジョンウに
明日、127の宿舎に遊びに行くね。
とだけメッセージを送って、
部屋に戻った。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。