第16話

 Ten × Kun 
14,495
2021/05/15 14:03
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 🌱 chapter1 , 2...kunside
    chapter3...tenside
 🌱 kun...🐻
 🌱 ten...🐱
 🌱 r18

 🌱 にんじんリクエスト

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いつからだろう、気付いたら目で追ってしまうのは。


いつからだろう、メンバーとして見れなくなったのは。





テンの事を考えていたからかな。

ふらふら、と控え室にテンが入ってきた。


表情には覇気がない。

それなのに、周りに心配をかけまいと

儚い笑顔を浮かべている。





🐱「……くん。」

🐻「ん、」





控え室には僕しかいない。

だからテンはふらふらと僕のもとへ倒れ込む。

僕も、それをできるだけ優しく包み込む。




きっとまた、ドヨンとテヨンイヒョンが

なにかをしていたんだろうな。




僕が片想いしている相手のテンは、

同じNCTのメンバーのドヨンに恋している。

そして、ドヨンとテヨンイヒョンは付き合っている。





🐱「…くん、癒されたい。」

🐻「そっか…でもここじゃ誰か来るかもしれないよ?」

🐱「いい、ばれない。…はやく。」





テンは僕を控え室の硬いソファーに押し付ける。

今から僕は、この部屋で抱かれるんだろうな。





🐻「バレない程度にね、」

🐱「それはクンが声を出さなかったらいいんだよ。」





テンが僕の唇にキスを落とす。

メイク、まだしてなくて良かったな、なんて。





こんな歪な関係になったのには

ちゃんと僕自身に責任はある。



始まりは確か、数ヶ月前。






.........







じめじめとした、

気分が悪くなるような雨の日だった。


たまたまその日は 宿舎に僕たち2人だけしかいなくって

テンは用事があるから、と僕を先に帰らせた。




そして、数時間後に帰ってきたテンの瞳には

溢れそうなほどの涙が溜まっていて、

長い付き合いの僕でも 初めて見るような表情だった。






🐻「テンっ…、…用事って……」





恐る恐るそう聞くと、

テンは 乾いた声で






🐱「はは、失恋しちゃった…」

🐻「…!」





と、ぽつり 呟いた。

その頃から僅かに恋心を抱いていた僕にとったら

衝撃的すぎる内容で、

戸惑いが隠せないような状態だった。




テンが失恋?

好きな人いたの?

その人は僕が知ってる人なの?




聞きたいことは山ほどあったが、

今はテンを慰めるほうが優先だ。


そう思い、静かに涙を流すテンの背中を

ただただ優しく抱きしめてあげた。





🐱「…ありがとね、クン。」

🐻「いや…テンがこんなになるとか滅多にないから…」

🐱「確かに、笑」





悲しそうな顔で笑うテンは

少し悩んだり、うう、と言ったりした。

僕はそんなテンを見守っていると、

テンは意を決したように顔を上げて





🐱「…あのね、テンの好きな人…ドヨンなんだ。」





と、言った。

その時の僕の顔はきっと間が抜けていて

多分、傷ついた表情だったと思う。


テンが失恋したと同時に、僕も失恋をした。







🐱「って、…ごめん、こんなこと急に言われても…困るよね、、」

🐻「ちが…いや……えっと、失恋…?って言うのはどういうこと、?」

🐱「…ドヨンとテヨンイヒョンがシてる所、見ちゃったんだ。しかも ドヨンが 愛してる、だってさ。」





笑っちゃうよね、



と言いながらまた悲しそうに話す。

何故か、その時は無性にドヨンに腹が立った。



そして、やけくそになった僕が言ったことは






🐻「、、僕のこと、ドヨンだと思って抱いてみたら…いいんじゃない、かな。。」






なんて、普段の僕からは全くもって

考えられないような言葉だった。









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