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🌱 chapter1 , 2...kunside
chapter3...tenside
🌱 kun...🐻
🌱 ten...🐱
🌱 r18
🌱 にんじんリクエスト
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いつからだろう、気付いたら目で追ってしまうのは。
いつからだろう、メンバーとして見れなくなったのは。
テンの事を考えていたからかな。
ふらふら、と控え室にテンが入ってきた。
表情には覇気がない。
それなのに、周りに心配をかけまいと
儚い笑顔を浮かべている。
🐱「……くん。」
🐻「ん、」
控え室には僕しかいない。
だからテンはふらふらと僕のもとへ倒れ込む。
僕も、それをできるだけ優しく包み込む。
きっとまた、ドヨンとテヨンイヒョンが
なにかをしていたんだろうな。
僕が片想いしている相手のテンは、
同じNCTのメンバーのドヨンに恋している。
そして、ドヨンとテヨンイヒョンは付き合っている。
🐱「…くん、癒されたい。」
🐻「そっか…でもここじゃ誰か来るかもしれないよ?」
🐱「いい、ばれない。…はやく。」
テンは僕を控え室の硬いソファーに押し付ける。
今から僕は、この部屋で抱かれるんだろうな。
🐻「バレない程度にね、」
🐱「それはクンが声を出さなかったらいいんだよ。」
テンが僕の唇にキスを落とす。
メイク、まだしてなくて良かったな、なんて。
こんな歪な関係になったのには
ちゃんと僕自身に責任はある。
始まりは確か、数ヶ月前。
.........
じめじめとした、
気分が悪くなるような雨の日だった。
たまたまその日は 宿舎に僕たち2人だけしかいなくって
テンは用事があるから、と僕を先に帰らせた。
そして、数時間後に帰ってきたテンの瞳には
溢れそうなほどの涙が溜まっていて、
長い付き合いの僕でも 初めて見るような表情だった。
🐻「テンっ…、…用事って……」
恐る恐るそう聞くと、
テンは 乾いた声で
🐱「はは、失恋しちゃった…」
🐻「…!」
と、ぽつり 呟いた。
その頃から僅かに恋心を抱いていた僕にとったら
衝撃的すぎる内容で、
戸惑いが隠せないような状態だった。
テンが失恋?
好きな人いたの?
その人は僕が知ってる人なの?
聞きたいことは山ほどあったが、
今はテンを慰めるほうが優先だ。
そう思い、静かに涙を流すテンの背中を
ただただ優しく抱きしめてあげた。
🐱「…ありがとね、クン。」
🐻「いや…テンがこんなになるとか滅多にないから…」
🐱「確かに、笑」
悲しそうな顔で笑うテンは
少し悩んだり、うう、と言ったりした。
僕はそんなテンを見守っていると、
テンは意を決したように顔を上げて
🐱「…あのね、テンの好きな人…ドヨンなんだ。」
と、言った。
その時の僕の顔はきっと間が抜けていて
多分、傷ついた表情だったと思う。
テンが失恋したと同時に、僕も失恋をした。
🐱「って、…ごめん、こんなこと急に言われても…困るよね、、」
🐻「ちが…いや……えっと、失恋…?って言うのはどういうこと、?」
🐱「…ドヨンとテヨンイヒョンがシてる所、見ちゃったんだ。しかも ドヨンが 愛してる、だってさ。」
笑っちゃうよね、
と言いながらまた悲しそうに話す。
何故か、その時は無性にドヨンに腹が立った。
そして、やけくそになった僕が言ったことは
🐻「、、僕のこと、ドヨンだと思って抱いてみたら…いいんじゃない、かな。。」
なんて、普段の僕からは全くもって
考えられないような言葉だった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!