第66話

 Hendery × Xiaojun 2
9,602
2021/10/10 13:11














いつも通り ヘンドリーの部屋でゲームをする予定だった





だけど、ヘンドリーは部屋に入るなり、

真剣な表情で俺を見つめてきた。








「…? どうしたんだよ、」

『シャオジュンが頑張れって言ったから』

「あ、さっきの?」







でもそれが今俺を見つめている事となんの関係があるんだ?








そんな疑問は ヘンドリーが放った短い言葉で

一瞬で消え去った。











『俺、シャオジュンの事が好きなんだ。』




「っえ、、?」












ふざけているのかと思った。



だけど、ヘンドリーの真剣な瞳が

ふざけているわけではない、

という事をひしひしと伝えてくる。








「えっ、と…へん、どり?」

『…ごめん、急に言われても戸惑うよな、』

「あ…や、えっと……その、、俺たち、親友じゃなかった、わけ?」

『俺はずっと、シャオジュンの事が好きだったよ。』









ヘンドリーは悲しそうに微笑む。





知らなかった、分からなかった、


じゃあ今までのヘンドリーの行動は、

全部が全部、純粋な気持ちで出来ていたわけじゃない、

っていうこと?









「…うそ、、」









だけど、不思議と裏切られたようには思えなかった。

どうしてだろう、ヘンドリーだから?








『ごめん、気持ち悪い…?』








ヘンドリーは眉を下げて 哀しみを含んだ声でそう言う。




俺は考えるよりも先に、自然と口が動いて









「気持ち悪く、なんか…ないだろ、」








と言っていた。

言葉は止まらず、すらすらと出てくる。








「性別が、どうしたんだよ。そりゃ俺はヘンドリーの事そういう目で見たことは無かったけど…でも別にそれが おかしい事なんかじゃあない、って思う…」








最後の方は自信がなくなって弱々しくなってしまった。



だけど今言った言葉には ひとつも嘘なんかなくて、

むしろヘンドリーが本当の事を言ってくれた、

という事が 嬉しくなった。





ほんとに俺、どうしたんだろ。



もしかして、俺もヘンドリーの事 …

いやいや、それはないだろ。






でも…彼女が出来たら、と思うと胸が少し傷んだのも、

そういう事なんじゃないか…?










『シャオジュン…』

「ヘンドリー…俺、全然わかんないけど…でも、、…その、、ヘンドリーなら、とかは…おも、ったりするかも…」









ヘンドリーの顔を見れない。


ヘンドリーの告白に嫌悪感を全く抱いてないのも

拒絶したい、という感情もない。



むしろ、ヘンドリーと付き合ってみたら?

という想像を少しだけしてしまう。









『シャオジュン、分かってる…?もし付き合う、とかそうなったら、…友達なんかじゃしないこともするんだぞ、、?』

「そんぐらい分かる、ばか。」

『ほんとに言ってる?嘘じゃない?がち?』

「あぁもう、しつこい男は嫌われるぞ」

『そんだけ嬉しいってことだよ、』









ヘンドリーは俺にぎゅう、と抱きつく。



痛い。こいつ地味に力強い。









『はぁぁ、緊張した、、』

「抱きつくなよ、っ…やめろよ」

『なんだよツンデレ』

「誰がツンデレだ。」

『もっとデレていいのに』

「何言ってんだよマジで…」









ヘンドリーは俺に抱きつきながら 少しずつ歩いている。


それにつられて俺も足を動かす。







すると、足首あたりに硬いものにあたった。


後ろを振り返ると、ベッドの足の部分が当たっていた。











「へ、ヘンドリー?」

『簡単に男の部屋なんかに上がったらダメなんだからな。』

「いや、…だって、ヘンドリーだし…」

『何されるかなんて分かんないだろ、』

『まあ俺たちはもう恋人だから。』









俺たちはゆっくりとベッドに倒れ込んだ。










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