第二拠点地は結界のはられたシェルターのような場所だった。
入口は狭いものの、地下は広く様々な設備がそろっている。
シェルターの医務室にあなたの下の名前を寝かせ、僕らは一息ついた。
すると、今度はナナの電話が鳴った。
これで既存の調べものとかはいけるか…
ピロンと携帯が鳴った。思わず思考を中止してしまう。
送られてきたのは雨音の撮っていた録画だった。
ルイが代表して再生する。
ハツとナナは、ある一点でぴくりと眉を上げた。
画面をタップした部分は、雨音が僕の家を指名したところだった。
何パターンか行きそうなところをピックアップして動画作ったのかな…
行きそうなところ………か………
そういうことなら早い…
僕は携帯電話を取り出し、少し席を外した。
みんなが追ってきていないか細心の注意を払って。
なるほど内通者というものはこうも不安にさせるものなのかと
まるで漫画をみているかのように感心してしまう。
かける番号は、この組織の全てを管理するただ一人。
やっぱりきた。
いやこの憶測があってるかまだわかんないけど。
可能性は高い。
乗ってやろうじゃないか。
素っ頓狂な声。
…………ナナ
セツは狼狽している。
幻影で広範囲に影響を与えられるし、ジャンプ時の滞空時間、空間把握能力も長けている。
…………………僕は勝ったことがない。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。