第24話

集い
334
2023/03/01 08:10
セツ
___________________お前の19回目の負けだ、カルノ
その腕の中には、護衛対象であるはずのあなたの下の名前。

彼女はただひたすらもがいていた。
あなた
っ………カッ……カルノ…………!
申し訳なさそうな顔でこちらを見る。
         ・・・・・
どうして?どうして来ていない_______________?
雨音
隙だらけ
雨音が0単位の速度で剣を振るった。

脳裏に浮かんだのは“やばい”の一言。




反応が


遅れた。
ナナ
___________________”不動“
刹那、その声が響き渡る。

全員の動きが止まり、ナナの鼻からは血が垂れた。
ナナ
……………ごめんね、来るの遅くなった
革命児4人がそこに集っていた。
雨音
っ………ぉ………っまえっ……ら………っ!!
ハツ
ナナの能力下で喋れるとか、こいつ相当強いんじゃね?
耳栓を外しながらハツが言う。

どっと溢れる安心感。

僕は心の内で笑みを溢した。
カルノ
(しっかり、追ってきてくれたんだね……!)
ナナの能力、”有言実行“は、聞いた者全員が対象者。その強さと便利さ故の代償か、
その命令が対象者の意に沿わなければ沿わない程自分の負荷が大きくなり、
相手にも効きにくくなる、という捨身能力だ。

雨音も僕もセツもあなたの下の名前も動けないでいる。
いや僕のは解いて。
ルイ
隙だらけはどっちだろうね
ライナ
ほんっとにもー何してんだよ
2人がセツと雨音に枷をつける。
ナナ
……”カルノは動くことができる“
言われた瞬間に距離を取る。

本当にありがとう。

雨音は悔しそうに顔を歪めている。見下していたサードに一杯食わされて、怒り心頭に発しているのだろう。
セツ
っ……………ナナ……っ
カルノ
…………誰が負けだって?
ナナ
”セツはあなたの下の名前を解放せざるを得ない“
セツ
っ……………!
セツが躊躇いがちに手を離そうとする。
ナナの出血の度合い、効きにくさを見るに、よほど離したくないのだろう。

いや、本命はこっちだったか?
カルノ
(ナナもセツが怪しいとは思ってたんだ…だからセツにあなたの下の名前の護衛泳がせるようなことをさせて…
ちゃんと追って来てくれた、雨音に気付かれずみんなを集めてくれた)
カルノ
(………………結果的に吉だ。あとは、人間達へのテロの真意、真相を…)
カルノ
………………じゃぁ、今度は人間達に何をしたか、
君は何がしたかったのか教えて
あなたの下の名前がセツの手から離れる。


その瞬間、
雨音
っ………甘ぇんだよ劣等種が!!
枷を壊し、代償によりナナの鼓膜を破った少年が____________


_______________ライナの腹を突き破った。
ライナ
っ…………………!?
瞬きをする間もない一瞬。

臨戦態勢に入った頃には、雨音は僕の前に立っていた。
雨音
……………………ねぇ、
雨音
お前が悪いんだよ?
カルノ
………………………………………、っ
気が付けば、背は壁面。

腹には白銀の鋭い刃。

ポタリ、ポトリと滴る血液。


あ れ ?


雨音の剣が腹を貫通し、僕は壁に磔にされていた。
あなた
っ…………カルノッッ………!!
悲痛な叫び。

人形のような青ざめた顔。
雨音
君も君だ。移動するときは幻影ばらまいて撹乱しろって言ったよね?
セツ
………、申し訳ないです
雨音
……………………お前のせいでもあるから、
雨音
全員殺して、僕のために死ね
もがく意識の中で聞こえた最後の言葉。












セツ
はい

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