第18話

混沌
439
2023/01/27 23:13
天井が見える。

暗いうえ、慣れない家の寝室だからか
目が回ったかのような錯覚を覚える。
あなた
……………………朝4時…………うわ、冴えた……
ベッドの上でスマホを見る。

まだ早いのに頭も起きてしまったようだ。
あなた
…………あれから3日……変化なし…………かなぁ
既に学校の件から3日がたっていたが、
あれから雨音の動きはまだ見られない。

結界の方も東京都全域捜索したようだ。

しかし結果は芳しくない。

警戒は強まるばかりだ。
あなた
うーーん……いつから学校行けるだろーか……
最近はずっとカルノの家にいる。
革命児達とはリモートで通話はしてるけど…
あなた
……………………水……
毛布を押しのけてベッドからおりる。

ペタリと踏んだ床はひんやりとしていた。

なんだかまるで、氷に沈んでいるような感覚さえする。
スマホのライトでも照らせない、真っ暗な氷の孤島に。
あなた
…………うぉお……こういうのって不安なるよね……
キッチンについた。

ていうかよくついたな私この家で。
あなた
水水〜〜
蛇口のセンサーに反応させ、水をコップに注ぐ。

ついでにそばの窓を開けた。

ここは2階で、少し離れたところに通りが見える。
既に歩いている人は多く、新しい景色が面白い。
あなた
………平和、じゃないんだよな〜…
窓を閉める。監視されてたり狙われていたら困るしね。

もう2杯ほど水を飲み、私はまた寝室に戻った。
人間
速報です、っ…ただーーま、各地いkーーーーーtいます、
原因ーー明の、ーーーが相tーーーーーー
人間
っ……何、だこれ……っ…み、水……
人間
……………?……だってこんな…なに…なにが……、ぶよぶよって…いま……
人間
おあ……お母さ゛……えほっけほっ………っ゛どこぉ……!
      



ルイ
………………………何、これ
____________________通りは、人で溢れかえっていた。
カルノ
ルイ!!あなたの下の名前が!
ルイ
っ………すぐ行く!
ルイは走って僕の家へ向かう。
どうやら影響を受けているのは人間だけのようだ。

僕はセツ達に連絡するためスマホを起動する。
カルノ
……………東京だけみたい、それから、すぐ僕の家に集まって。
…………うん。父様たちも動いてる………いや、結月もアウト。
急いで。…………とにかく止めないと
僕ら吸血鬼は人間よりも頑丈で強い。

だから無差別テロでも効かないのだろう。
カルノ
(くそ……っまさか人間を狙ってくるなんて……!)
僕も走る。ナナとハツはもう家についているらしい。

走って、通りを抜けて走って走る。


走っていると、突然服を掴まれた。
カルノ
うぇ!?
女の子
おがぁさ……っお母さん゛っ、おいでか゛ないでぇ!!
っ……いだぁい!!いたい゛の!!!
掴んでいたのは6歳くらいの女の子だった。

はぐれたのか一人だ。
カルノ
ど、お母さん?僕、お母さんじゃ……
女の子
ぉgっ………ゲホッ……っ…おがあざん、お゛母さんっ…………!
っ…………聴こえていない……!?

いや、どうするべき_________
セツ
カルノ!!その子には悪いけど、今は構ってる暇ねえんだ!
動けんのは俺達だけなんだろ!?他の人見てても
様子おかしいし、その子の安全確保して俺達は行くぞ!!
カルノ
セツ!!ライナ!!
ライナ
早く!!
カルノ
っあーーくそ!
僕はその子を近くの建物に誘導する。

建物から出ようというところで、
突然バチバチッと火花の散るような音がした。

一気に通りから光が失われる。
ライナ
停電!?
カルノ
こんなときに……!
いや、こんなときだからこそか?
セツ
急ぐぞ!
僕らはまた走る。

父様によると、工事関係者、公共交通機関に携わる人々の救助にも人数が割かれているらしい。

まずい、各地で『人』が崩れていく。





人間
み゛………っ、み…づッッ……水を…………ッ
混沌に、引きずり込まれていく。

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