第6話

一人ぼっちの登校
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2018/08/15 14:03


あれから涼介とは会っていなくて、
突然決まった芸能界の仕事だったから



引越し先や退学届けの準備で忙しくて
学校にも来ていないみたいだ。



だから最近は1人で登校している。




一人での登校は初めてだったから、道中
やけに静かで隣に誰かがいないだけで
こんな孤独感漂うものなんだろうかと
寂しくて仕方がなかった。





ようやく学校に着き、教室のドアを開けると
大貴の姿があった。


大貴
あなた!おはよ!···なんか最近暗くね?
山田も学校来ねぇみたいだし
あなた
う、うん...まぁ、いろいろあってさ。
大貴
いろいろってなんだよ?
喧嘩でもしたか?
大貴には 本当のことを 言おう。
あなた
あのね?大貴。
涼介...退学しちゃうんだ
大貴
はぁ!?まじで!?
えっ!なんで!?
あなた
この前ね、一緒に帰ってたんだけど...
芸能界の人から仕事してみないかって
電話がかかってきたんだ
大貴
...山田はなんて?
あなた
涼介ね...小さい頃から芸能界に入るのが
夢だったんだ。私、ずっとそばで
見てきたから涼介の気持ち...
何となくだけど分かるの
大貴
そう···だったんだ



大貴が落ち込むのも無理はない。



だってずっと仲良しだったもんね。
大貴と一緒にいる涼介は楽しそうで
いつも言い合ったりふざけあったりして。




そんな2人の姿を見るのが毎日楽しみで
2人のお陰で教室の雰囲気も明るかった。
あなた
だから···応援しなきゃって思う。
しばらく遠くへいってm...
大貴
それ本気で言ってんの?
あなた
...え?


大貴はなぜか怒ったような口調で
私に問いかけてきた。
大貴
本当はそんなこと思ってねぇ癖にさ、
なんで...そこまで我慢してんだよ
あなた
···ッ


痛いほど大貴の言葉が胸に刺さって
我慢していたものが一気に溢れ出した。
あなた
ッ...逃げたの...自分の気持ちから
あまりにも嬉しそうな顔で話すから...
私が言いたかったこと...ッ
なにも...ッ 伝えられなかった


私がひとつひとつ話す言葉に
うんうんって頷きながら優しく
聞いてくれる大貴。




その時先生が教室に入ってきて
私達のところまで近づいてきた。
先生
おっ。いたいた。今、山田が職員室に
来てるんだけど最後に2人に会いたい
みたいで...職員室まで来るか?
あなた
そう...ですか


少し考えたけど気まずいまま
涼介とは会っていなかったから



会うのに抵抗があってなかなか
体が動こうとはしなかった。
先生
退学届け出しに来ただけみたいだけどな。
今から電車で東京まで行くらしいから
最後の挨拶するの今だぞ〜


そう言い残し先生は教室から出ていった。



まだ迷っている私に大貴はそっと声をかけた。
大貴
行かなくていいのか?
後悔しても知らねぇぞ?
あなた
...うん


それでもまだ迷っているあなたの手を
大貴が掴んで職員室まで走り出した。

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