第3話

高校生活
1,155
2018/08/15 13:39


あれから私達は高校生になった。



いつも寝坊しそうになる私を家まで
迎えに来てくれる涼介。



今日も玄関先から聞こえてくる声。
涼介
おーい!あなた!遅刻すんぞ!
あなた
ふぁぁ〜、はーい、今行くー!


あくびをしながら下に降りていくと
涼介
おせぇよ、ばーか 笑


そう言いながら手で頭をくしゃくしゃと乱される。
あなた
ちょっ、やめてよ!せっかく綺麗に
整えたんだからー!


姿見で髪を整えているあなたの姿を後ろ
から眺めながら、突然腕を掴まれて。
涼介
ほら、行くぞ
あなた
えっ!ちょっ、涼介!

そう言って涼介は学校まで走り出した。









───キーン コーン カーン コーン───





予鈴が鳴り始め慌てて正門をくぐり抜けると
ギリギリで教室に入ることができた。

涼介
ひぇー!あっぶねぇー!
ギリギリセーフ!笑
あなた
あ"ぁ"ー...ほんと走りすぎだわ
涼介
ぶっ!どっからそんな声出せんだよ 笑
あなた
だって仕方ないじゃん!
涼介がアホみたいに走るから...
涼介
あ?なんか言ったか?
あなた
べっつにー。さっ!教室行こ〜♪



教室に行く途中でいつもこんな会話から始まり
涼介に意地悪な事ばかり突っ込まれる。


もっと女子をいたわれ。と、いつかそう
言ってやりたいと思いながら本音を閉じる。



そんなことを考えながら教室へ入ると
何故かニヤニヤしながらこちらをじっと
見てくる大貴の姿があった。
大貴
よっ!今日も山田と仲良く登校してんじゃん !笑


紹介が遅れました。



朝からヤケにテンションが高いこの人。
大貴っていって同じクラスメイト。




涼介と登校すると毎日ってくらい
茶化しにくるちょっと面倒くさい人。

大貴
おいおいっ!めんどくさいってなんだよ!心の声聞こえてんぞ!笑
あなた
あ、ごめんごめん 笑
冗談だからね!
涼介
なぁ、1時間目何の授業だっけ?
あなた
えっ?確か...数学だったよ?


教室に入り自分の席へ着くと
いつものように話しかけてくる。



涼介が授業前に話しかけてくると
だいたい教科書を忘れて貸してほしい
アピールをしてくるのだ。



すると案の定顔の前でパチンッと
両手を合わせる 涼介
あなた
あ、また忘れたんだ?
涼介
おぅ!わりぃ!


片目だけ開けてこちらを見てくる涼介。
あなた
いいよ、はい、どうぞ〜
涼介
サンキュー!ほんっと助かったわ!いや〜俺数学の先生苦手じゃん?すぐ目つけられんだよね
あなた
ふぅーん。数学の先生に気に入られてていいじゃん 笑
涼介
は?お前本気で言ってんの?気に入られてるわけねぇよ、あの先生だぜ?
ありえねぇーわ。
あなた
あ、分かった!涼介いっつも数学の時だけ教科書忘れるもんね!嫌がらせですか?笑
涼介
んなわけねぇーって!たまたまだよ!
先生
おい、こら!そこの2人!コソコソ何喋ってるんだ?授業始まってるぞー!



言い合いしてる間にいつの間にか
授業が始まっているのに気づき、
涼介
あっ、はい!...すんません
あなた
プッ 笑

注意された拍子に涼介が 立ち上がったもんだから
可笑しくて思わず吹き出してしまった。




じろっと私の方を向いて笑うなよと口パクで
必死に伝えようとするところが なんだか
可愛く見えてしまった 。

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