月島 side
今年の4月。 高校の始業式。
皆楽しそーに桜並木の道を歩いている。
ダボダボの新しい制服は少しカッコ悪く見える
僕はいつもの様に重い足取りで山口と学校へ向かった。
クラスは山口と一緒。
知らない奴らばっかりなのより良い気はした。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
ガタッ
最初はただからかって反応を見てるだけで楽しかった。
けど、その気持ちはドンドン変わっていく。
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コロコロ変わる表情が可愛く思えて。
僕の名前を呼んで笑いかけてくれる君が可愛くて。
少しずつ僕は君に対する気持ちが家族や友達とは違う
意味の(好き)なんだと気付いた。
けど、
訳が分からなくなってきた。
あなたと奏一がケンカした時は嬉しかった。
あなたが少しは僕を頼ってくれると思った。
これはチャンスなんじゃないかって。
僕を意識してくれるんじゃないかって。
けど、今回のケンカは、結構ヤバそうだった。
あなたがさらわれたと聞いて、思考が回らない。
けど、、けど、
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研磨 side
あなたが俺の隣に引っ越してきたのは
俺が中一になった頃。
挨拶に来た時は可愛い子だと思ったけど、
仲良くはなれなそうだった。
けど、バレーをしていたと聞くと。
クロが俺とあなたを連れ出し3人でバレーをする事が増えた
バレーをする時は本当にイキイキしていた。
汗をかいて、泥んこになったら普通の女子なら
嫌がるはず。
なのに、あなたは汗だくになっても、
泥だらけになっても気にしない。
むしろ、楽しそうに見えた。
そんなあなたの事を好きになった。
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あなたが引っ越して1年半、
あなたに会いたい。
ギュッてしたい。
合宿って何でするの?
めんどくさいだけじゃん。
はァ。帰りたい。
すると、聞き慣れていた声が聞こえた。
ギュッ
え、何? てか、めっちゃいい匂いするんだけど、誰?
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あなたと話してたら、いつも邪魔してくる。
誰?何で俺とあなたの邪魔するの?
なんか気に入らない、
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!