ー炭治郎sideー
此処は……
蝶屋敷か……?
それから俺は…
あなたのことを善逸と伊之助に話した。
俺が初めてあなたに会ったときのこと、
そのときにあなたと交わした話のこと、
あなたが月柱にされていたこと、
俺がナタグモヤマであなたに助けられたこと、
あの柱合会議のときのこと、
"美しい山"で再会したこと、
あなたと禰豆子と暮らしたときのこと、
あなたの使う、神の呼吸のこと
美しい山での別れ、
そして……
美しい山に居たはずのあなたが助けに来てくれたこと……。
他にもいろいろ話した。
とにかく、あなたのことを話した。
二人とも、食い入るように聞いてくれた。
会いに行く………か。
正直、俺も会いたい…。
会って、お礼を言いたい。
でも……
あなたは会ってくれるのだろうか…?
え………?
どうして君は……
ここに居るんだ……?
会いたかった。
あなた。
俺が……
ずっと聞きたかった言葉…。
この言葉が聞きたくて、
俺は…美しい山にあるあなたの屋敷に留まったのだ。
あなた……
その言葉、信じていいんだな…?
君は……
鬼殺隊に帰ってきたんだな…?
"此処"に……
"ずっと"居るんだよな……?
俺は……
ずっと、
待ってたよ。
もう、戻って来てはくれないかと思ったけど……
やっぱり君は、とても優しい人だから…
戻って来てくれたんだ……
俺達の所に。
そう言って君は……
優しく、微笑んだ。
あの美しい山で見たのと同じ、
優しい笑顔……。
でも……
あの山で見た笑顔よりも、
さらに優しく…
美しくなったあなたの笑顔は……
本当に綺麗だった……。
俺はまだまだ力不足だけど……
今の俺には、
おこがましいかもしれないけど……
俺は"この笑顔"を……
守りたいと思った。
"この笑顔"が…
失われてはいけないと思った……。
"この笑顔"を……
失いたくないと思った。
だから俺は……
強くならなければいけない。
"この笑顔"を……
"眩しすぎる、その光"を……
一生、守り抜く為に……。
、
"眩しすぎる、その光。"
それは美しく……
優しく、人々を包み込む…。
だが、
"眩しすぎる、その光"は…
もっと、
輝くことができるのかもしれない。
いつか"その光"は……
"この地"を照らすだろう。
そのとき、
"この地"に訪れるのは…_______?
そして……
"その光"の行方は……………………?
人々はまだ、
『何も知らない』
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『ごめん…………炭治郎。
私、"此処"に……
"ずっと"は…………
居られない。』
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。