第39話

"孤独"なアルジサマへ。
4,409
2020/11/13 13:56






ーno sideー











産屋敷耀哉
…やぁ"無惨"
やっと会えたね。






___あれが、オニの首魁…








あなたが戦う、キブツジムザン…










屋根の上から見ていた一羽のカラスは、息を飲んだ。













この鴉の名は、月夜カグヤ








あなたと共に鬼を滅してきた、鎹鴉である。












この鴉にとって、





あなたが相棒であり、









あなたがアルジである。




















ずっと……共に歩んできた。























___しかし、










それも、もう……













今日で最後なのだと、月夜は悟った。















もとより、月夜は知っていた。




















___最後の戦いに、あなたが命をかけることを。




















しかし、昨日まで普通にくだらない話をして…笑いあっていたあなたが、




















この後…命を遂げるだなんて、



















誰が思うだろうか。














今日の朝、いつもと様子が違った。




















いつもあなたは月夜に微笑みながら挨拶をするのだ。
















今日の朝だってそうだった。



















___けど、どこか寂しそうだった。


















なんとなく予感はしていた。




















___けれど、信じたくもなかった。




















だから、目を逸らした。



















しかし…あと数刻であなたは死んでしまうのだと、
























今この時、月夜は受け入れざるを得ない状況に陥っている。






















___あなたと一緒に戦いたい。














あなたを救いたい。






















けれど…鴉だから、自分にはそれが出来ない。






















このまま黙って見届けるのか…?

























___"月夜…"

























愛しそうに名を呼ぶ、あなたの声が…




一羽の鴉の脳内に響く。

















一羽の鴉は、勢いよく飛び立った。

















___はやく、




















もっとはやく飛べ





























風が強い。

























これ以上はやく飛べない、




























羽がもげそうだ






















___それでもいいから、






















はやく、はやく…
























じゃないと…
























"アルジサマが死んでしまうから"…























はやく、柱を呼んで来なきゃ…!























あなた……






















月夜は…鴉だから、今まであなたに辛いことがあっても、悲しいことがあっても、
























寄り添うことしか、できなかった。

























___でも、今日は違うよ。

























月夜だって、戦うから。























月夜だって、あなたを救いたい。























アナタを、助けたい。

























___大好きなアルジサマ、























月夜はアナタが大切だから…

























だからどうか…























死なないで……、




















アナタがいなくなったら…月夜は、























ひとりぼっちになってしまうよ…

























___ねぇ、"孤独"なアルジサマ…



























いや、























"孤独であろうとする"アルジサマ、























アナタは、ひとりじゃない。






















月夜がいる。






















皆がいる。




































___だから、



































一人で"逝こう"としないで…。









































___待っててね、"アルジサマ"。







































月夜が、助けるから。


































アナタを、一人になんてさせないから。




























月夜が…





























アナタの相棒が、アナタを助けるから。






























___絶対に……"逝かせない"。







































一羽の鴉の瞳から、雫が流れ落ちる。



































「伝令ィー!伝令ィー!
産屋敷邸に鬼舞辻無惨が襲撃ィ!!
神柱・常闇あなたが応戦中!!
柱は向かえェ!!!」

























一羽の鴉から入った、一通の伝令。






































それは……































___"孤独"なアルジの相棒の、悲痛な叫び。



























、、、























"孤独"なアルジサマへ。

































月夜は……アナタの相棒になれて、幸せだったよ。




























だから…




























___"最後の刻"くらい、一緒に居させて……。























知ってるでしょう…?あなた、



































月夜が……







































______ってこと











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『___ねぇ、"  "さん…
























私……、

































_________だったよ』






























だから……














































___アネモネを、散らすの。

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