ー炭治郎sideー
眩しい……。
とても眩い光が当たりを包み込んだ。
鈍い光に一見みえるが、
その斬撃はとても鋭く…
音よりも速い……。
そして…
美しい……。
光が見えた時にはもう既に頸が斬れている斬撃。
そんな事を出来る人間は
限られてる……。
そしてそれが誰なのかも……
俺は知ってる。
.
なっ、何…………!?
まだ鬼がこんなにも居るのか!!?!
この数……
いくら弱い鬼とはいえ
数が多すぎて攻撃を塞ぎきれないぞ……。
なんだ……?
黒い霧のようなものを
金の刀身が纏っている……。
暗闇に呑み込まれそうだ……。
でも
美しい…………。
神の呼吸…
それは……
一番強く、
一番難しく、
一番美しい呼吸だろう……。
一瞬……だった。
瞬きをしている間に
鬼の頸は落ちていた……。
数にして約25体の鬼…。
異常な程にこの山には鬼が居る……。
でも……
この一瞬で…………
その鬼達は消え去った。
俺は
やっぱり、
思ってしまう。
いや、
彼女を知る誰もが…
そう思っているだろう……。
俺達には……
"絶対にあなたが必要だ"
今の一瞬で
俺の心は決まった。
絶対に、あなたを連れて帰る。
"鬼殺隊"に…………。
少年は知っている。
自分達には…
照らす者…つまり、
眩い位の"光源"が
必要だって事を…………。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!