第36話

満月の前夜
4,987
2020/07/02 10:09





ーNo sideー










小望月こもちづきの夜、







一人縁側で夜空を見上げる人物が居た。










彼女はどこか、







切ない顔を浮かべている。












そこに、一人の青年がやって来た。







彼は彼女を見つけると、






嬉しそうに顔を綻ばせ、









駆け寄り、隣に座った。


















彼_炭治郎は、彼女_あなたからする匂いに首を傾げる。













竈門炭治郎
…あなた……?
何かあったのか…?
常闇 あなた
…ううん、何も無いよ。
どうして?
竈門炭治郎
…いや、あなたから……
悲しみと、寂しさの匂いがしたから…
常闇 あなた
……大丈夫だよ、
悲しくもないし……寂しくも無いよ。
竈門炭治郎
…本当か……?
常闇 あなた
……うん、
だって……皆と一緒に居るから
竈門炭治郎
……そうか、
ならいいんだが…
竈門炭治郎
あなたから感情の匂いがするのは、珍しいと思って…
常闇 あなた
……確かに、そうだね…
…でも、本当に大丈夫だよ
常闇 あなた
私は……





































.
常闇 あなた
大丈夫だから、









その時、







夜風に乗って、











ほのかに偽りの匂いが













炭治郎の鼻まで届いた。











竈門炭治郎
……あなた…?
竈門炭治郎
……やっぱり…何か、隠しているだろう
常闇 あなた
……隠してなんか、無いよ
竈門炭治郎
……嘘だろう、あなたは…何か………隠している
常闇 あなた
………
竈門炭治郎
……俺には…言えないのか…?
常闇 あなた
……ううん、そうじゃないの…
常闇 あなた
………ただ、
竈門炭治郎
…?















































.
常闇 あなた
一晩しか咲かない華は、いつ咲くか知らないほうが綺麗だと思って
竈門炭治郎
……"月下美人"のことか…?
常闇 あなた
……それに似た、たったひとつの………
常闇 あなた
一度きりの……





































.
常闇 あなた
"華"
竈門炭治郎
その"華"が咲くのか…?
常闇 あなた
……うん、咲くよ
竈門炭治郎
そうなのか、その"華"は綺麗なのか?
常闇 あなた
……その"華"は…
常闇 あなた
……きっと、綺麗だと思う
常闇 あなた
この……
常闇 あなた
"小望月"みたいに、
竈門炭治郎
小望月…?
常闇 あなた
……満ちる前の、月。
竈門炭治郎
満月ではなく、小望月なのか…?
常闇 あなた
……少し、欠けているくらいが…私には丁度いいの。

















___だって、
















満月を迎えた月は……
























欠けていくから。















、、








"月下美人"








年に一度だけ、夜に咲き誇る花。















だが、"月下美人"ならば…



















来年も咲くだろう。






















しかし、"華"ならば………?
















___明日は、

























"満月"




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