第4話
第3話
あの後、遥香は泣き出した。
生贄になる事は、初めから決まっていたらしい……
遥香が居なくなるまで、もう数日しかない。
遥香は、普通の女の子なのに……
馬鹿な奴のせいで………
全く関係の無い女の子が生贄になるんだ。
ふと、本音が出た。
勿論、遥香は驚いた。
俺達の村には掟がある……
『この村から出てはいけない。』
『この村以外の人と話してはいけない。』
『この村の事を誰かに教えてはならない。』
生贄は生贄の掟があり……
『生贄に夢を見させてはいけない。』
『生贄に恋をしてはいけない。』
『夢を見させてはいけない』というのは、生贄がこの村から逃げ出してはいけないと言う事。
『恋をしてはいけない』
恋をすると夢を見てしまう。
それを避けるために出来た定めだ。
俺は君に手を伸ばした。
「お願いだから逃げよう」
「君は誰かが生きる為に死ななくていい」
そんな気持ちでいっぱいだった。
村の奴らなんか知らない。
君と幸せになれるなら、俺は掟を破る。
誰を犠牲にしても……だ____
next↪