少しふらっとしながら
私はリビングへと戻った。
モトキがよく食べていたグミの袋を
ンダホに手渡しする。
あのグミはモトキがめっちゃ好きなメーカーの
グミ...
渡しちゃっていいのかな...?
モトキがニコッと微笑む。
あれ?嫌な予感がしたのに...
気のせいだったのかな...?
モトキをチラッと見る。
いつもと変わらない表情...
自分が思い込み過ぎたのかな?
そんなはずない...
ンダホの性で邪魔されたり好きなグミまで
取られたり...
相当イライラしてるはずじゃ...?
そのイライラが夜に来ないといいんだけど...
―――
片手で手を振りながらンダホを見送る。
ガチャっと扉が締まり終わると
沈黙が空気を漂い始める。
どう切り抜けたら...
考えている間に
私の視界は暗黒に包まれた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。