そう言って彼女は話し始めた
俺は決めた
絶対こいつを1人で死なせない
死ぬ時は絶対側にいてやれるように
もうお前は1人じゃない
大丈夫
俺がいるから
すきだよあなた
ちょっとカッコつけてるみたいだけど
ほんとにそう思ってる。
頑張って生きてきたあなたは絶対に幸せになるべき
だったら俺があなたを幸せにしてやりたい
一緒にいたい
笑っていたい
すきだよ
きっと辛くて誰にも言えなかったことも言ってくれたと思う。
話してる時に、少し詰まるところもあったし涙目だった。
きっと涙を我慢しながら話してくれたんだと思う。
きっと辛くて辛くて仕方ないと思う。
溜まりに溜まった涙が一気に溢れ出た。
相当辛かったんだと思う。
彼女から俺に抱きついてきた
少しびっくりしてしまったけど俺はしっかり抱きしめた
彼女よりも強く強く強く抱きしめた。
細くて小さな体だった。
俺がそう言ったら彼女はもっともっと泣いた
泣き疲れた彼女は僕の胸の中で寝てしまった
彼女の顔は泣いた後が残っていた。
それでもほんの少し力が抜けたような笑みも浮かべているような気がした。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。