第2話

🙅‍♀️
892
2024/07/15 05:59



今思えば、私がこうして鬼殺隊に勧誘されているのはあの日が発端だった。



物心がつく前に既に肉親は亡くなっており、親戚の家に住んでいた。
しかしそこには殆ど私の居場所がなく、空気同様の扱いであり、パシリというものだった。
その為、私は朝 親戚たちが起きる前に暖炉に使う木材を森へ集めに行った。
その日は雪が酷く降る早朝だった。
戻るのに時間がかかってしまい…恐らく1時間ほど。
家に帰ったら血塗れだった。
…そう、家の中は親戚たちが血塗れで転がっていたのだ。
あなた
…ひゅ、
思わず息を呑み込んでしまい、血塗れの元凶であろう──鬼に見つかってしまった。
オニ
グルル…
そいつは人の形をした鬼で、目の焦点が合っていない。
 
あなた
( …どうしよう、殺す…? )
あなた
( 鬼の弱点って何処だっけ…前に風の噂で聞いたけど忘れちゃった… )
 
そう考えていると、鬼がこちらへ突進して来た。
あなた
!?
思わず反射で避けたが、突進された家の壁は穴が空いた。
あなた
…あっぶな
あなた
ちょっと!!これ修理費用かなり掛かるんですけど!?
オニ
グルァ!!
あなた
ひぁ…!?
そんなの知らないと言わんばかりにまた突進して来た。
あなた
……最っ悪…
またもや反射で避け切ったが、壁が半壊。
咄嗟に隣の部屋へ逃げ込み、箪笥たんすを扉の前に置いて食い止めた。
しかし壊そうとガタガタ鳴っている。
これはまずいと思い、足を後ろに退くと
足に何かが縋り付く感覚がした。
あなた
…?
それは親戚だった。


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