夢から覚めたハズだが、俺の姿が猫になってるワケで。
仮に、仮にだ。
あのイケメンコスプレ野郎の言ったことがマジだとすると、
俺はすでに死んでて、生まれて変わっている、ということか?
だが、俺はナイスガイ。
そんなことで動じるようなキャラではない。
たとえ世界が滅亡してようが、不自由なく暮らせればそれなりにやっていける。
だから猫になっても問題はないはずだが……
まず、ここはどこだ?
周りを見渡す限り俺様の知っている街並みではないぞ。
だが原始時代だとか中世だとか、異様に古い時代ってワケでもなさそうだ。
おや……?
むしろ俺が知ってる車より未来的なデザインのモノも停まっているぞ。
いや、んなわけないか。
辺りは普通の街並みだしな。これといって近代的な要素などさほど感じることもない。
当然ちゃ当然なんだろうが、樹木なんぞが異様にデケェ。
まぁ、そんな状況にもすぐに対応できるのがナイスガイたる所以だな。
街路樹を無視してふたたび俺は歩き出す。
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― ゴッドの視点 ―
あの男に会ったのち、私はピレーの待つ神の部屋へ戻った。
いつものとおり、ピレーが私を出迎える。
この神の宮殿では、私とピレーしかいない。
ピレーは私に対し、絶対的な忠誠心を持っている。
私の尊厳などを傷つける恐れがあるものには容赦しない。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。