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第10話

ナイスガイ、変わった好物。
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2023/03/05 09:50

うーむ……。

ええい、悩むくらいなら言ってしまえ!



黒猫
黒猫
……ピザが好きだ……な。
蒼愛
蒼愛
……ピザ?
チーズ乗ってる、あのピザのこと?
黒猫
黒猫
あ、あぁ。
それだ……。
なんだか急激に空気が冷えてきた気がするぞ……



や、やっぱり、猫の好物がピザはマズかったか……!?





蒼愛
蒼愛
え〜ッ!!すごいね!
そんな猫さん初めて見るよ!

意外なことに、ソアラは俺様の回答がドツボだったようだ。
愉快そうに満面の笑みを浮かべている。


蒼愛
蒼愛
ちょっと待ってね。
黒猫
黒猫
お、おぅ。

俺様の発言をママさんに手話で伝えているようだ。
ママさんは手話をしながら、えっ!?というような顔をしているが……。


ママさん
ママさん
ガイ##、#####〜。



頭をナデナデされた……。


黒猫
黒猫
ど、どういう意味だ?
蒼愛
蒼愛
ガイくん、面白い子ね〜。だって。


面白い?
やはりピザは悪手だった……か……?



ママさん
ママさん
###、#######。
蒼愛
蒼愛
わぁーすごい!
ママがじゃあ、作ってあげる。だって。
黒猫
黒猫
うおっ!!
マジかっ!?

何事も言ってみるモンだな。



蒼愛
蒼愛
ママはね、お料理が得意なんだよ。
黒猫
黒猫
すごいな、俺様の好物ピザが作れるなんて……。

俺様は料理はやったことがあるか記憶にないが、
少なくとも素材が必要だろうし、調理法も知ってないと無理だよな。


黒猫
黒猫
その……、ピザって作るの大変だよな?
蒼愛
蒼愛
う〜ん。
生地から作るとなると大変かもだねぇ。
澄春
澄春
##、######!
蒼愛
蒼愛
ボク、ピザ好きだよ!だって。
黒猫
黒猫
ほぅスバル、お前もピザが好きなのか。
気が合うな。

よし、ピザができるまでスバルと遊んでやろう。


黒猫
黒猫
ソアラ、スバルと少し遊ぼうと思うんだが。
蒼愛
蒼愛
わー、遊んでくれるのね。
じゃあ、私はママのお手伝いしてこようかな。

ソアラが手話でスバルに伝言し、
そのままキッチンと思われるほうへ向かって行った。

澄春
澄春
ガイ##、#######?
黒猫
黒猫
なんて言ってるかワカランが、何しようか的なニュアンスか。

スバルくらいの歳だと、何が楽しいのかね。
トーゼン、俺様には子どもの遊びに関する知識なんかないぞ。

澄春
澄春
ガイ##、#####。
黒猫
黒猫
何か、ヒモみたいなのをプラプラさせ始めたぞ……?
澄春
澄春
###!####!
黒猫
黒猫
いや、スバルよ。
そんなもので俺様が遊べるワケないだろうが……。
黒猫
黒猫
猫でもあるまいし……。

おかしいな……。
ただのヒモなのに、すごく捕まえたい衝動に駆られる。

澄春
澄春
#####!


スバルがヒモを持って引いたり、揺らしたりしている……。


黒猫
黒猫
ま、待てッ!!
ここは俺様の実力を見せつけてやろう。
スバルよ、驚くがいい!


澄春
澄春
###!
黒猫
黒猫
クッ……!なかなか獲れない……。
スバルはプロのヒモ使いか?


俺様プライドをかけて、負けられん!








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