『…え、』
先生)そう。手術を早めなきゃならないんだ。
『それくらい、病気、ダメなんですか?』
先生)この間倒れたでしょ?それもそのせい。
だから、…頑張ろう?
『…はい』
拓哉が昨日変だったのは、このせいか。
そりゃあ、こんなこと言われたあとにデートに誘われたら断るよね。
拓哉は、私なんかと付き合ってていいのかな…
室)おっ、あなたちゃん!
『室さん、』
室)なんか悩んでるな〜?ちょっと話す?
『…お願いします。』
室)んー、なぁんや、?
『…その、私…拓哉、と付き合ってるんですけど…』
室)え、拓哉くんって…あの?よく遊びに来てた…
『それですそれです。』
室)えぇーー!あの拓哉くんと…ん、そんで?
『それで…拓哉は、私なんかと付き合ってていいのかな…って。』
室)ったく…きっと拓哉くんもあなたのこと好きやから付き合ってるんやろ?
『でも…』
室)大丈夫や。拓哉くんは絶対あなたちゃんのこと信じてくれてるし、待っててくれてる。
やからあなたちゃんは頑張って、病気治し?
『…はい。』
室さんに言われた通りかも。
私は治療に専念するだけ。
『…拓哉の、ために。』
病気治すから…待っててね。拓哉。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。