『…拓哉が傍にいてくれた、かな。』
「ん?」
『なんとなく、そう思ったの。大好きな人が隣にいるってだけで、安心するから。』
「…なんや、急に。笑」
『…私と、付き合っててくれて、ありがとう』
「…俺やって、あなたがおらんくなったら無理やで。大好きやもん。」
「いっかいね、心配になったの。私でいいのかなーって。でも室さんに言ったら拓哉くんなら大丈夫やって言ってくれて。」
「…せやで。俺はあなたを離したりしぃひんから。絶対に。」
『約束、守ってくれたんだね。傍にいるって。』
「そのための約束やろ?当たり前や。」
「あ、あなたも元気になったことやしさ。デート行かへん?」
『…うん!行きたい!』
「笑笑、どこ行こっか?」
『えーっと、…
前に持ってきてくれた雑誌を開いて、次のデートの計画。
' シャボン玉 ' のように、儚く散りそうになった私。
それでも、私は今笑顔で生きている。
この幸せを噛み締めて、
拓哉といっしょに、
生きていきたい……_______
fin…
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!