先生)検査の結果なのですが、思ったより腫瘍が進行しています。
『そう、ですか。』
先生)とりあえず、薬で様子を見ましょう。
治療、頑張りましょう。
『…はい。頑張ります。』
あぁ、やっぱり病気進行してるんだ。
入院生活、頑張らないと。
「あなたー、きたでー」
『あ、拓哉。』
制服姿の拓哉。
学校帰りに来てくれたのかな。
「どうよ、入院。」
『もう慣れたよ。笑 何回もしてるんだから。』
「…そっか。笑」
拓哉は病室に飾る用のお花を持ってきてくれたり、
あとはこっそりお菓子も。
「今日なー、席替えしてん」
『えーほんと?』
「あなたは窓側の席やったで」
『あーー、早く学校行きたい。』
「ちゃんと治してから、な?」
『…はぁーい。』
「あ、そろそろ行かな」
『うん。ありがとう、拓哉。』
「ん、あなたも頑張るんやで?じゃあな。」
ぽんぽんと頭を撫でられて笑顔を見せてから、
拓哉は帰っていった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!