第17話

『お盆の任務5』
2,948
2020/12/27 01:02
そこに現れたのは、見回りをしていた蟲柱・胡蝶しのぶと、水柱・冨岡義勇だった。
冨岡は何も言わずに刀に手をかけた。
冨岡「(水の呼吸 参ノ型・流流舞い)」
花の紋様が切れ、開けたかと思うと────
そこには誰もいなかった。


ーーーーーー

炭治郎「...ぅ.......ん.....?(ここは何処だ...?確か結の頭を撫でてやって...それで.........)」
愈史郎「やっと起きたか」
炭治郎「.....えっ愈史郎さん!?」
愈史郎「たまたま用があってあの場所の近くに来ていたら、茶々丸が大急ぎで俺たちのところに来たんだ。良かったな、死ななくて」
珠世「本当に危なかったんですよ。怪我も酷かったですし、毒もまわっていましたし...」
炭治郎「そうなんですか...」
珠世「あの時一般人の方がいました。知っている方なんじゃないですか?きっと心配していますよ」
炭治郎「(誰だろう...?)」

ーーーーーー

一週間が経つと、炭治郎の体温は平熱の37度に戻り傷もだいぶ治ってきた。


しかし、少し深い傷はまだ治っておらず、頭に巻いている包帯が目立っている。


炭治郎は珠世の家を出て、故郷へ向かった。


もちろん、禰豆子も連れて。


炭治郎「(あの時は意識が朦朧としていたから誰がいたのか覚えていない...それにしても手紙を送るのをすっかり忘れていた。心配かけちゃったなぁ)」
町の人「...た、炭治郎...!?」
町の人「炭治郎が戻ったぞーー!!」
町に着くと、大騒ぎになった。
町の人「おかえりなさい.....っ」
炭治郎は優しく笑って、
炭治郎「ただいま、みんな」
と返した。


ーーーーーー

町の人「何があったの...?家...血だらけで...」
 町の人「それに...怪我は...」
炭治郎「えっと.....うーん.....」
炭治郎は考える。
さすがに一般人に全てを話す訳にもいかないし...
炭治郎「家の方は、熊!熊が出たんだ。俺は三郎爺さんの家に泊めてもらったから家族を守れなかったんだけど.....でも禰豆子は無事だよ。.....一応」
炭治郎「この前の方は.....えっと.......戦闘を」
炭治郎は思いっきり嘘をついた。
もちろん炭治郎の顔で、町の人に嘘だとバレているけれど、何か事情があるんだろうと察してこれ以上は聞かない。
町の人「.....そうか、話してくれてありがとう!」
町の人「ほら、ゆっくりしていきな」
久しぶりにみんなで食事をした。
食べ終わっていろんな話をしていると。
烏が飛んできた。
鎹烏「カァーカァー!北北東!北北東!栗花落カナヲニ合流セヨ!」
町の人「うわ!?え、烏が喋った!?」
炭治郎「わわ、そういう新種の烏なんだ!じゃあ俺は行かなきゃならない。久しぶりに会えて嬉しかったよ。じゃあまた!」
炭治郎は慌ただしく走って帰って行った。
町の人たちは、たくさんの疑問が残りつつも、炭治郎が無事に笑顔で暮らしていると分かって安心したのだった。


.....end

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