第104話

助けて
5,922
2019/07/24 14:05
sideあなた
事務所に別れを告げてからまりかの家に行った。


1番早い便でロサンゼルスに行く。


それまでお邪魔させてもらう。
自分
まりか、今までありがとうね!
佐藤まりか
あなた…私がそいつ殴りに行くからやめないでよぉ…
自分
まりか、強いね笑
佐藤まりか
あなたやってもとヤンキーやんか!
自分
そーやけど!!笑もう引退してめっちゃ経つからなぁ爆笑
佐藤まりか
爆笑
自分
あ、もうこんな時間だし行くわ!ありがとう!またアメリカにも遊びに来てや!
佐藤まりか
うん…ほんとにいいんだよね?
自分
うん!誰かになにか聞かれても何も教えちゃだめだからね!
佐藤まりか
分かった!向こうでも頑張ってね!連絡ちゃんとしてね!
自分
うん!
まりかに見送られて空港に行った。
時間まで目立たないように隅でぼーっと窓の外を眺めていた。
そんなことをしていたらたくさんの涙と一緒にみんなとの思い出があふれてきた。
自分
ほくちゃぁ…
会いたいなんて口に出してしまったら今すぐにでも駆け出してしまいそうだった。
必死に我慢しているけど我慢しなきゃって思う度にどんどんほくちゃが好きだ、会いたいって気持ちがあふれてくる。
そろそろ時間だ、と涙をふいて歩きだそうとした時後ろから誰かが走ってくるのが分かった。
自分
いたっ!!
とっさに避けた時手首と右腹部に痛みを感じた。


どんどん痛くなってくる。


ふと見ると赤いものが出ていた。
上村稜
全部あんたが悪いんだよ!!あんたが北人に近づかなきゃこうはならなかったな!出会わなきゃよかったのにね!
苦しんでいると窓の外が見えた。
私の幻覚かもしれないけど、ほくちゃが見えた。
自分
私は…なにが、あっても…ほくちゃにっ…出会ったことに…後悔は、しない!
そう言うと稜は警備員におさえられた。
暴れていて野次馬が集まってきた。
今ほくちゃに見つかる訳には行かない。
必死にキャリーバッグに身を預けて歩き出す。
プルルルルッ
佐藤まりか
「あなた!今、3代目さんとかがうちに来てる!もう結構ばれてるみたい!そっちにも行くだろうから気をつけてね!」
留守番電話に繋がった。
もう私には行くところがない。
プルルルルッ
笹川真琴
「あなた?私今、東京来てるんだけどー暇な日あったら教えてよー遊ぼー」
真琴からだった。
自分
「ま、こと…助けて」
笹川真琴
「あなた!?今どこ!?」
自分
「空港…」
笹川真琴
「すぐに行くから!!」
私は真琴を信じて玄関に向かって再び歩き始めた。


タクシー乗り場に着いた時ちょうど真琴が来た。
笹川真琴
なに、その血…すぐ乗って!病院お願いします!!
意識が消えそうな中真琴にお願いをした。
自分
まこと…絶対LDHの、みなさんには、伝え、ないで…私と、真琴の、秘密にして…警察にも連絡、しておいて…私、もう、タレントじゃ、ないから…
そう言うと意識が途切れた。

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