『ねぇてひょん、話って?』
🦁「あぁ、話なんだけどさ………」
『………………?』
🦁「………………」
🦁「僕ね、」
🦁「………………………」
🦁「あ〜!もうッ!なんで言えないんだ僕ッ!」
いきなり叫んだかと思うと自分で自分の頭を叩くてひょん。
『え、ちょ笑笑なにしてんの笑笑』
🦁「だって俺、ちゃんと言葉で全然言えないんだもん!こんなのってさ!」
🦁「僕が幼稚園生だった頃よりも語彙力がないよッ!」
『え、いや、とりあえず大丈夫か?』
🦁「うん、大丈夫、ちゃんと面と向かっていうから。」
🦁「俺さ、今日頑張っていろんな種目出るようにしたんだ。」
『うん』
🦁「あなたのために。」
『うん…………ッて、え?』
🦁「だから」
🦁「僕を誰よりも見ていてください。」
私の前でいきなりそう言った てひょん は今まで見たことがないくらい真剣な表情だった。
でも、それと同時に頭をよぎったのは ぐく が言った
”俺を1番に見てて”
だった
🦁「あと僕ね、校内陸上大会終わってからの打ち上げあると思うんだけど、それも出るの。」
🦁「だから、それも僕の隣にいてね。」
『え、あ、うん?』
私は曖昧な返事をすると彼は少しの間をあけて
🦁「僕、一生懸命頑張るから!」って
いつもの無邪気な彼に戻り、少し可愛いと思ってしまったことは内緒
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。