己の額に両手をつき、プルプルと震えている実弥。
……私も同じ状態だ。
娘の可愛さに心臓を奪われそうになる今日この頃。
私達は、旅館の朝食を戴いていた。
バタッ、と一気に脱力した実弥。
ひーちゃんが狼狽える。
やめてあげて、ひーちゃん。それ逆効果よ。
…白目剥いて気絶。
あれ、実弥ってこんなヘタレ(?)だったっけ。
あれ…。
数分後、復活した瞬間にひーちゃんを抱き上げる実弥。
いや無意識かよッッ…!!
遠回しに私の事まで可愛いって言ってきやがった此奴ッッ…。
お は ぎ の ク セ に 。
でも起きた瞬間ひーちゃん抱っこするなんて相当ひーちゃん大好きなんだねぇ、この人(仮)。
私も同じくらい、というかそれ以上、何倍も何倍もひーちゃんの事大好きだけどさ、ちょっと羨まs
って違う違う違う違う。
え、何考えてんだ私。危うく嫉妬ドロドロの気持ち悪ぃ女になる所だったぜ危ねぇ危ねぇ。
…え、子供、しかも自分の子供に嫉妬って相当というかもうやば過ぎだろ私。
え、嫌だ……あれ? 実弥に嫌われるッッ…?
きら、き、嫌われ…え、嫌われるとか……
…あれ、今コレどういう状況?
肩になんかのしかかって……わぁ、実弥の腕だぁ。
当たり前のように抱きしめられてるぅ。
…え? ちょ、何で離れるの? ……あ゙。
さっきの言葉ってそういうッッ……
本日も凄いSっぷりを披露した実弥。
(Sっぷりとは←←)
その様子をひーちゃんも楽しそうに見ていたとさ。
…結局私、この2人に振り回されてるような気がする。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!