第19話

優男
9,095
2020/05/21 11:16
不死川実弥
不死川実弥
ほら。
あなた

ん?

実弥が、カフェオレとコーヒーを両手に持って此方に見せて来た。
……自販機で買ったものなのだろう。
不死川実弥
不死川実弥
あなた、お前どっち飲む?
あなた

あー…じゃあ……

あなた

…カフェオレ。

不死川実弥
不死川実弥
ガキだなァ。
あなた

黙っとけ…

近くにあったベンチに腰を掛ける。
横を見れば、コーヒーを静かに飲んでいる実弥。

……何やら不機嫌そうだ。
あなた

……実弥、本当はコーヒー飲めないんじゃないの?

不死川実弥
不死川実弥
はァ…?
不死川実弥
不死川実弥
…飲めるわ、こんなモン。
いつもの覇気がない。
図星のようだ。

よく良く考えてみれば実弥は、お萩が好きな甘党男子なのである。
それを嫌な顔一つせず私にカフェオレを渡せるのはなんか凄いなって思った。

……自意識過剰かもしれないけど、実弥は私やひーちゃんと居る時“だけ”…凄く、優しい顔をするんだ。
あなた

実弥。私の飲む?

不死川実弥
不死川実弥
はァ? お前のだろォ。…良いのかァ?
あなた

うん。……あ、まさか関節キス気にしてるとk

不死川実弥
不死川実弥
馬鹿かテメェは。何年の付き合いだと思ってんだァ……
とか言いながら受け取り方がなんかぎこちない。
実弥の一つ一つの行動に笑ってしまいそうになる。
でもスマ〇ラされたくないから必死に堪える。

……その繰り返し。


私がカフェオレを飲み終わったタイミングで、
不死川実弥
不死川実弥
そろそろ部屋戻るかァ?
と声を掛けてくる実弥。
……わを、いつの間にコーヒー飲み終わってる。
あなた

おー、戻ろう。
ひーちゃん冷えちゃうし……

不死川実弥
不死川実弥
おぅ、そうだなァ。
……そう言ってしれっと自分の羽織をひーちゃんに被せる。
なぁんでそんな自然と動けるのかねぇ…。
……改めて私は、優男の考えている事はよく分からない、と再認識したのであった。

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