晩飯を食べ終わり、デザートも食べてレストランを出る。
本当に美味しかった。美味し過ぎた。
予約……ふふっ。と、思わず口元が緩む。
軽く小突かれ、頭を抱えていると後ろから実弥の手が伸びてきた。
何だ何だ……と、じっとしていると、冷たい金属のようなものが首元を擦る。
これは……。
凄い。キラキラだ。
シルバーの……なんか物凄く高そう。
高級感が半端ない。
……あれ、ネックレスに埋め込まれたこの鉱石…。
ジェダイト。またの名を……
“翡翠”。
鮮やかな緑や紫などが混ざった、半透明の鉱石。
思わずひーちゃんの方へと視線を向ける。
…と、何やら不機嫌そうな娘の姿が。
一瞬にしてパァァっと顔を明るくしたひーちゃん。
眩しい。眩い。
うわぁ、イケメソこの野郎。
こっちも眩しい。眩い。
目が、目がぁぁ。
いや、冗談抜きで私の目が昇天する。うん。
というかいつの間にひーちゃんの風車まで…。
本当に完璧過ぎて怖い。この人。
……挙句の果てには。
許せや……って、ひーちゃんがッッ!!!
ひーちゃんが居るのよッッ、分かる!?!?
……そして私達は旅館へと戻ってまた泊まり、次の日実弥の車で家へと帰ったのだった。
旅館ではなんか襲われた。いや軽かったけどね。ひーちゃん隣で寝てたし。
……とりあえず腰痛い。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!