……今日からひーちゃんは、幼稚園生。
幼稚園バスが園児を迎えに来て、そのまま幼稚園へと向かう。
だから、保護者の同行は不要。
……いや待って心配過ぎてやばいよ。
どうにかなってしまいそう。怖。
はは、実弥さんやっぱ教師。
こういうの多分慣れてんだろうなぁ。
私より、一回りも二回りも小さい少女。
この子、私よりも年下だよな…。
……そういえば、1年にこんな子が居た気がする。
確かいつも、獅子色の髪の男の子と……
そうしてひーちゃんは、バスの中へと乗り込む。
……窓から手振ってる。可愛い。
私達も振り返し、見えなくなった所で…家に戻った。
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久し振りの2人の空間だが、緊張することも無く実弥さんに話し掛ける。
瞬時に理解する。
宇髄先生やカナエさんが、色々と話を合わせて下さったのだろう。
こういう事は前から結構あった。
私と実弥さんが付き合えたのだって、元はと言えばあの人達のお陰だ。
感謝しかない。今度、お萩をお裾分けしよう。
自分でも、肩が跳ねたのがわかった。
……まぁそりゃあ、バレてるわな。あんな強引過ぎる誤魔化し方じゃ。
少しだけ口角を上げ、此方を見据えていて。
挑発的なその言い方にイラッと来た私は、
吹き出す実弥さん。
羞恥心と敗北感、そして苛立ちが私を襲う。
ボソッと呟く。
さっきまで、
「言ってみろよォ」
とか言って挑発してきてたのに。
バコォォオオォォンッッ!!!!!!
……物凄い音と共に、自分の体が宙へと放り出される。
久し振りだなぁ、視界が青空で染まるの。
相変わらず風圧が凄いわ。
久し振りにスマ〇ラを体験しました。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。