第7話

久し振り
11,189
2020/05/06 07:44
あなた

大丈夫? ハンカチ持った? 先生の言うことちゃんと聞ける? お母さん達居なくても大丈夫…?

不死川実弥
不死川実弥
緋翠、何かあったら直ぐに父さんか母さんに言えよ? 絶対だぞォ?
不死川 緋翠ひすい
うん、だい、じょーぶ!! いってき、ます!!
……今日からひーちゃんは、幼稚園生。

幼稚園バスが園児を迎えに来て、そのまま幼稚園へと向かう。
だから、保護者の同行は不要。
……いや待って心配過ぎてやばいよ。

どうにかなってしまいそう。怖。
あなた

あ、えと……娘をッッ、よろしくッッ、お願いしますッッ……!!

不死川実弥
不死川実弥
……よろしくお願いします。
はは、実弥さんやっぱ教師。

こういうの多分慣れてんだろうなぁ。
真菰
真菰
ふふ、勿論! 任せて下さい。立派な子に育て上げて見せますよ。
私より、一回りも二回りも小さい少女。

この子、私よりも年下だよな…。
真菰
真菰
……青桐さんと、不死川先生…ご結婚されたんですね!
あなた

え?

不死川実弥
不死川実弥
あ? ………あ、お前…
真菰
真菰
私もキメツ学園の卒業生ですよ。不死川先生と青桐さん、学園中で有名でしたから…。
……そういえば、1年にこんな子が居た気がする。

確かいつも、獅子色の髪の男の子と……
錆兎
錆兎
おい、真菰!! 遅いぞ、何してるんだ。
真菰
真菰
ふふ、ごめんごめん。…では、娘さんは責任を持ってお預かりします!
不死川 緋翠ひすい
おかーさん、おとーさん、いってきます!!
あなた

…行ってらっしゃい!!

不死川実弥
不死川実弥
頑張れよォ。
そうしてひーちゃんは、バスの中へと乗り込む。
……窓から手振ってる。可愛い。

私達も振り返し、見えなくなった所で…家に戻った。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
あなた

そういや実弥さん

不死川実弥
不死川実弥
何だァ?
久し振りの2人の空間だが、緊張することも無く実弥さんに話し掛ける。
あなた

今日、仕事無いの? 平日だけど。

不死川実弥
不死川実弥
あー、その事なら宇髄とか胡蝶達が……
あなた

……あぁ、なるほど……

瞬時に理解する。

宇髄先生やカナエさんが、色々と話を合わせて下さったのだろう。


こういう事は前から結構あった。
私と実弥さんが付き合えたのだって、元はと言えばあの人達のお陰だ。

感謝しかない。今度、お萩をお裾分けしよう。
不死川実弥
不死川実弥
……ところで、あなた。
あなた

うん?

不死川実弥
不死川実弥
この間……俺の事、呼び捨てで呼ぼうとしてたよなァ。
あなた

ギクッ

自分でも、肩が跳ねたのがわかった。

……まぁそりゃあ、バレてるわな。あんな強引過ぎる誤魔化し方じゃ。
不死川実弥
不死川実弥
……なァあなた。実弥って……呼び捨てで呼んでみろよォ。
少しだけ口角を上げ、此方を見据えていて。
挑発的なその言い方にイラッと来た私は、
あなた

はっ、簡単だろ………実弥さnゴホッエホッ!!!!!!

あなた

実弥。

あなた

……さんッッ……

不死川実弥
不死川実弥
…ぶはっ‪!‪!‪w‪w
吹き出す実弥さん。

羞恥心と敗北感、そして苛立ちが私を襲う。
あなた

あぁのねぇッッ!! そう簡単に直せるもんじゃないの、こういうのは!! クセなんだからさ!!

あなた

“実弥”にとっては簡単かもしれないけど、私はッッ………って、あ…?

不死川実弥
不死川実弥
…何だ、言えんじゃねぇかァ?
あなた

割と簡単に言えた……実弥…

ボソッと呟く。
あなた

ふふっ……実弥!!

不死川実弥
不死川実弥
な、んだよ……
あなた

…あれぇ??

さっきまで、

「言ってみろよォ」

とか言って挑発してきてたのに。
あなた

なんか顔赤くないすかぁ???

不死川実弥
不死川実弥
テメェの煽りでこんなにイラついたのは何時ぶりだろうなァッッ………?
あなた

そんな赤い顔で言われても怖くなi

バコォォオオォォンッッ!!!!!!
……物凄い音と共に、自分の体が宙へと放り出される。
久し振りだなぁ、視界が青空で染まるの。
相変わらず風圧が凄いわ。
あなた

んのお萩野郎めええェェええぇェぇェッッ!!!!!!!!!!!!

久し振りにスマ〇ラを体験しました。

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