第26話

ある日の不死川家
7,798
2020/06/14 11:59
不死川実弥
不死川実弥
…お前、いっつもそれ付けてんなァ。
少し嬉しそうに、実弥が私の胸元を指差して言う。
あの旅行から帰って来て1週間程が経った。

実弥から貰った翡翠のネックレスを肌身離さず付けていれば、実弥が声を掛けてくる。
あなた

……いや何、ただネックレスが気に入ったってだけであって? 実弥がくれた物だから肌身離さず付けてるとか??

あなた

別に、そういう訳じゃないですし??

若干引きつっているであろう自分の顔を想像しながら実弥にそう言うと、クスッと笑って、
不死川実弥
不死川実弥
そーかィ。可愛くねぇ奴だなァ?
そう言ってまた、嬉しそうに笑った。
不死川 緋翠ひすい
おとーさ!! みて!!
何処からかひーちゃんがトテトテと歩いてきて、手元を見てみれば風車が。
不死川 緋翠ひすい
くるくる、くるくる!!
不死川実弥
不死川実弥
おっ、そうだなァ。くるくるだァ。
無邪気に笑うひーちゃん。
釣られたように実弥も、子供のような笑顔で笑っていた。
不死川実弥
不死川実弥
…んじゃァ昼飯にすっかァ。何食う?
不死川 緋翠ひすい
おすし!!!
不死川実弥
不死川実弥
寿司……まー、たまにはいいか。
ほら、出掛けんぞォー。支度しとけ
あなた

はいはーい実弥パパー

不死川実弥
不死川実弥
お、何だァ。
あなたは娘になりてェんかァ?
あなた

いや実弥の奥さんがいいッッ!!!!!!
…あ。

不死川実弥
不死川実弥
ッッはァ~…バッカ野郎ォ………//
不死川 緋翠ひすい
らぶらぶ、だねぇ!!
不死川実弥
不死川実弥
おぅ、そうだなァ。
よしあなた 緋翠出掛けんぞォ
あなた

実弥、ヤケに早口だね

不死川実弥
不死川実弥
るっせェ。
あなた

あっれぇ、照れてるのかn

いつもの調子に戻ったところで、久々に煽ろうとしたら口を塞がれた。
不死川実弥
不死川実弥
黙っとけ。…なァ?
……口で、口を塞がれた。
あなた

……ハイ

不死川 緋翠ひすい
らぶらぶ、だねぇっ!!!
2人
まぁ な/ね 。
見事に声が重なり、目が合うとニヤァッと笑う実弥。
「ほら、行くぞ」と零した実弥の後を、ひーちゃんと一緒に追う。

……そうして、私達は寿司屋へ向かった。


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