第34話

実弥
6,798
2020/10/04 21:09
不死川実弥
不死川実弥
……青桐
あなた

…はい……?

不死川実弥
不死川実弥
まだ、思い出せねェか……?
あなた

………

……分かっていた。

記憶から消えてしまったのは、この人なのだと。
私は、この人を……愛していたのだと。


___でも、実感が湧かなかった。
この人のどこに、惚れたのか。

この人のどこに、惹かれたのか。
……思い、出せなかった。
あなた

……

不死川実弥
不死川実弥
…………思い出せなくてもいい。
そん時はまた、1からやり直す。
あなた

……1から…






︎︎
不死川実弥
不死川実弥
…宣戦布告だァ。
不死川実弥
不死川実弥
___もう一度、惚れさせてやる。
あなた

……!

不死川実弥
不死川実弥
簡単に諦める訳にはいかねぇんだよ。
不死川実弥
不死川実弥
なんせ、俺はテメェのこと……“誰よりも”愛してっからなァ。
あなた

っ、あ……

……何か、見覚えがある。聞き覚えがある。
挑発するような笑み。嘘偽りのない言葉。

何か、言い表せない不思議な感情が込み上げた。
あなた

っ……ポロポロ

不死川実弥
不死川実弥
……嫌だったら突き飛ばせェ。
ギュゥ…と。
力強く、けれども優しく抱きしめられた。

涙が、更に溢れた。

理由なんて、わからなかった。


___……ただ。
あなた

(落ち着く、なぁ……)

彼の腕の中は、とても優しく暖かかった。
不死川実弥
不死川実弥
あなた。…突き飛ばせっつったろ
あなた

………

不死川実弥
不死川実弥
……あなた?

とても居心地が良かったのか、私は静かに眠りについてしまっていた。
* * * *
あなた

……ん…

あなた

……? ……あれ…

︎︎













あなた

……〝実弥〟…?

そう呼びかけると、私を抱きしめていた誰かが大きく息を呑んだ。
不死川実弥
不死川実弥
は、おま、……
彼が、大きく目を見開く。









___思い出した。
あなた

実弥ッッ……!! 実弥、だぁッッ……ポロポロ…

不死川実弥
不死川実弥
ッッ………!! ポロポロ…
︎︎
不死川実弥
不死川実弥
あなたッッ……!!
普段泣かない実弥が、大粒の涙を流しながら笑ってる。

……本当に、辛い思いをさせた。
私だったら、自分のことだけを忘れ去られるなんて考えられない。
不死川実弥
不死川実弥
良かっ、たァ……
不死川実弥
不死川実弥
………
あなた

……実弥?

実弥の方を見ると、静かに寝息を立てている彼が目に入った。

……緊張の糸が、一気に解けたのだろう。
不死川 緋翠ひすい
おかーさんッッ!!
あなた

ひー、ちゃぁんッッ………

宇髄天元
宇髄天元
……おーおー、一件落着、ってかぁ?




___本当に、良かったッッ………。















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