第37話

記憶
5,156
2021/05/29 02:29
不死川実弥
不死川実弥
……
あなた

スー……スー………

不死川実弥
不死川実弥
……ははっ、
行かねぇと。

















___今度こそ、あいつをぶっ殺しに。





* * * *




鬼舞辻無惨
鬼舞辻無惨
……チッ小賢しい……チョロチョロと…!
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
蟲の呼吸 蜂牙ノ舞 真靡き
鬼舞辻無惨
鬼舞辻無惨
ッッッ……!!
鬼舞辻無惨
鬼舞辻無惨
ひれ伏せ雑魚共!!!
瞬間、無惨から触手のようなものが全方位に放たれる。
これは前世でも使ってきた厄介な力だ。

威力が半端ないのと

速すぎて目で追えない。
冨岡 義勇
冨岡 義勇
……
冨岡 義勇
冨岡 義勇
前世は、不死川も一緒だったな
前世は___……生き残った柱と、隊士達が一斉に畳み掛けて、やっと勝つことが出来た。

そのくらい、とんでもなく強い相手だった。
炭治郎達の活躍も大きかった。

炭治郎達が居なければ、きっと、勝てなかっただろう。
でもこの場には、炭治郎達は居ない。
……だが。
時透無一郎
時透無一郎
霞の呼吸 壱ノ型 垂天遠霞
宇髄天元
宇髄天元
音の呼吸 壱ノ型 轟
胡蝶カナエ
胡蝶カナエ
花の呼吸 弐ノ型 御影梅
鬼舞辻無惨
鬼舞辻無惨
づッッ………クソッ!!
前世で、戦いに参加出来なかった者がいる。
無惨は前世と比べればそこまで強くはないだろう。

そして、俺達の容態は万全だ。
上弦と戦ってから来た訳でもないのだ。

勝算は、充分にある。
不死川実弥
不死川実弥
___風の呼吸 壱ノ型 塵旋風・削ぎ
鬼舞辻無惨
鬼舞辻無惨
ッッッ!?
瞬間、とてつもない轟音が鳴り響いた。
宇髄天元
宇髄天元
不死川ッッッ…??! 何で、
不死川実弥
不死川実弥
変な気ィ使うんじゃねェ阿呆共。
俺ァ此奴を……
不死川実弥
不死川実弥
自分の手で、ぶっ殺してェんだよ
そう言った彼は、風柱は……暴れ始める。

前世と差程変わらない動きを、している。


まさか、ずっと鍛錬していたのか…?
この男は、間違いなく___
今この場で、誰よりも強い。





* * *




チラつく記憶があった。
一人の少女の記憶だった。
その少女は、恋をしていた。
とある上官に、片想いをしていたようだった。





その組織では、その上官達は「柱」と呼ばれていた。

その少女は、黒い隊服を着ていた。
その組織には階級というものが存在するらしい。
少女の階級は「甲」だった。
とある任務でのことだ。
とある柱と共に、少女は任務に出ることとなった。
風柱と呼ばれる、粗暴で恐ろしい性格の男だった。

最初はこちらのことを信用している様子はなく、

なにかする度に睨まれていたのを覚えている。
だが、敵に襲われ死にかけた時に、

___身を呈してまで庇い守ってくれた。
この瞬間だろう。この時、少女は。
恋に落ちた。





だが、その恋は報われることなく終わった。

最後の戦いで、少女の命は散ったのだ。


風柱にも、少女は認知されていなかった。

少女は、後悔した。



"愛されたかった"と呟き、少女は。












___……少女の名前は、青桐あなたと言う。






私の、前世の記憶だ。

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