運転中の実弥に、後ろから声を掛ける。
窓に映っている実弥の顔。
……青筋浮かんでる。
2回目、本日2回目の「はァ?」頂きました。
怒ってますね。怒ってますねぇ。
すると、急に車のスピードが上がった。
え、え? ちょっ……
一瞬心臓止まるかと思った……。
前の車にガッシャーンしてドッカーンする未来を想像するだけで、身体の芯が震える。
……いやぁ、宇髄先生の言ってた通り。
娘にクソ甘だな……この人。
本日3度目の「はぁ。」は、何だか気だるげな雰囲気を醸し出しておりますねぇ、はい。
……と、心の中で勝手に実況していると、
窓に映っている実弥の顔。
……紅くなってる。
その後、暫くの間…くだらない口論が続いた。
その様子を、不思議そうに眺めるひーちゃん。
……あの実弥が、ハンドルを握る手の指の先まで真っ赤になっていたのを、今でも鮮明に思い出せる。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。