第16話

露天風呂
9,654
2020/05/17 12:05
食事も済ませ、部屋でゴロゴロとしていると、どっかのお萩が口を開いた。
不死川実弥
不死川実弥
なァあなた。そろそろ風呂入んねぇ?
あなた

おぉッッ…!! 露天風呂!! 大浴場!! よっしゃ行くz…

不死川実弥
不死川実弥
……あなた、ここさァ。貸し切り露天風呂があるらしいんだけどよォ。
ピタッ、と…はしゃいでいた身体が反射的に停止。
ニッコリと屈託のない笑みを浮かべる実弥。

露天風呂と聞いて、目を輝かせているひーちゃん。
不死川実弥
不死川実弥
予約しといたァ((ニコォッ
手遅れだった。
* * * *
不死川 緋翠ひすい
わぁーッッ!! 大きいおふろー!!
身体の汚れを落とし終わり、湯船へと浸かる。

ちゃぷちゃぷと、露天風呂に入ってはしゃぐひーちゃん。
溺れないように支え、見守っていると、
不死川実弥
不死川実弥
あなたー。
……おう、おうおうおう…。

チラチラ見え隠れしてた胸筋が、今じゃ完璧にさらけ出されてます。
……目のやり場に困る。本当に。
と、その時……肩に痛みが走った。
あなた

ッッ!?

……痛みが走った場所に目をやる。

綺麗に咲いた紅い華…。
……“接吻痕”…。
あなた

おまっ、ぁ……萩ッッ!!!!

不死川実弥
不死川実弥
あァ?((ニタァ
……何と言うか、今までに見た事ないくらいのゲス顔してる。
そのゲス顔すらもカッコいいと思ってしまう私は、もう重症だ。末期だ。

あぁあぁ、本当頭に来る。

いつもいつも実弥は余裕そうな顔してさぁ。
……はっ、私だってやるときゃやる女なんだ…。
あなた

……実弥。

不死川実弥
不死川実弥
……んだよ。怒ってんのk…
ギュッ、と。
なんかもう自暴自棄になり、実弥に…抱き着く。

タオル1枚のこの状況。
……やってやったッッ……よくやった私ッッ!!
不死川実弥
不死川実弥
おまっ、……!!
あなた

……はっ、どうしたぁ? 恥ずかしくて声も出ないんジャナイデスカ……((ボソッ

不死川実弥
不死川実弥
人の事言えねぇじゃねぇかテメェ……ッッ
……熱い。
露天風呂の湯が、自分の顔が、実弥の体温が。

どれをとっても熱い。
不死川実弥
不死川実弥
……お前、案外……胸、あんだなァ……
あなた

モノホンのスケベ川じゃねぇかお前ッッ!! どこ見てやがんだぁッッ……!!

不死川実弥
不死川実弥
いやァ……だってよ……当たってんだから仕方n
羞恥心に耐えられなくなり、バッと実弥から離れる。

スケベ川お萩。やばいよこいつ。
……何でさ…そんな、顔赤いんですかね。
あぁ、実弥の所為で身体全体が熱く……
不死川 緋翠ひすい
お、おかあさ…?
不死川実弥
不死川実弥
おいィッッ……!?
実弥にもたれ掛かる。なんか自分の身体に巻いたはずのタオルがない気がするけど、それどころじゃ無い。

……のぼせた。
その事実を理解した数秒後、私は意識を手放した。

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