気分悪いし帰ろうとした時やった
目の前から歩いてくるんは北さん。
きっと神さんに「はよ辞めや」って言われとるんか
っちゅーぐらいやわ。
北さんは真剣な顔。
あ、昨日の事かって察した
北さんと2人、部室へと向かった。
ほらな。図星や。
北さんは少しガッカリした様子で「そうや。」と
答えた。
言いたい事は分かっとる。
はー、笑ってまう。
バンっと開いた扉
そちらに目を向けると
もう
もう。
いっぱいいっぱいだった。
軽蔑してる様な白い目で。
ねぇ、なんで私ばっかりなん?
私は被害者やないの?
__________
昔は泣き虫ですぐママに泣き付いていた。
そんなママは良く私の頭を撫で
『ママは弱いからあなたは強く生きるんやで』
とよく言っていた。
そして母の最期。
『つよく、強くあなたは生きてや…』
と笑っていた。
ママ、私ダメやったわ…。
頭を深々と下げ、顔をあげた瞬間笑みが零れた。
久々に名前を呼ぶんが今かい。
けど、今思うと。
しつこいし、喧しいし、アホみたいにあなた!って
呼ぶ声嫌いやなかったよ。
侑達を横目に私は部室から出た。
そしてスマホを片手に
『もしもし〜?あなた?』
『さん付けとかやめてや〜!』
『離れて分かるってあるやん?多分それやと思うねん!体があなたを欲してんねんもんっ!』
此奴はほんまに狂ってる。
やから、終止符を私がうたなあかん。
『え?なんで?そんなn』
ブチッ
私は電話を切り、ある場所へと向かった。
___________________________侑side
あなたを追っ掛けてる途中でサムに会って治は
『あなたやったら北さんとどっか行ったで?』
なんて言うもんやから
"マネも辞めたるから。"
あなたの一言が頭をよぎる。
急いで部室へ向かうと
中から
『不純異性交友』
バカサムはほんまオブラートに包まへん。
『花崗さんから昨日連絡来はったんですね。』
なんて続けて聞こえてくる。
『うちのバレー部は全国大会の常連や。流石にマネージャーの為に今までの努力棒に振れん。』
と北さんの声がした。
待ってや…あなたはほんまの事ってまだ…
『今日は確認したかっただけなんやけど、その様子やとほんまなんやな?』
耳を疑った。
違いますって言えって、それはガセやって。
『ほんまです。』
それと同時に体が衝動的に動いた。
バンッ
あなたはこちらを向いてびっくりした様子。
北さんが居るのに、居るのに……
とサムが続いて問い掛ける。
すると北さんが口を開いた
が角名も焦った様子で、ド直球に
時が止まったんかと思うぐらい時間の流れは遅くて
あなたは、少し悲しい顔をしたが、すぐ無になる。
そして
あなたの声はハキハキとしていて
深々と頭を下げたと思えば、清々しい笑顔で
笑っていた。
不安と焦り。
その笑顔が余りにも怖かった。
消えてしまいそうで。
そして、あなたはまた、怖いと思ってしまう程の
笑顔で
そして部室から出て行った。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。