『なんで先行くの』って言われても、今日テスト返しだし…
そういえば、昨日紫耀と約束したんだった…
『一緒に行こう』って、『俺の家来てよ』って言われてた!
ヤバい!完全にやらかした…
これは、正直に言うしかないよね…
私が悪いんだし…
え………いつもの紫耀じゃない…
いつもなら、笑って許してくれるのに。
どうしよ……
もうあんなバカみたいな話で笑い合う事もできないのかな…
あぁ私、最悪なことしたんだ。
こんなの初めて…
もう、仲直りの仕方もわかんなくなっちゃった。
そもそも、仲直りなんて、できるのかな…?
紫耀とは喧嘩したこと無かったのに
いつも一緒に笑い合ってたのに。
雄登が珍しく面白いこと言ってる
・・・でもごめん、今は笑える気がしないや。
いつかちゃんと笑うから、それまで待っててくれるかな…?
席を立ったとき、紫耀がクラスメートに囲まれているのが
目に入った。
でも、その中に居る紫耀の笑顔はいつもと違って、
ぎごちなく、無理に笑っているように見えた。
いつも、素の笑顔で偽りの笑顔なんて私の前で見せたこと
無かった紫耀を、私は結局傷つけちゃうんだね…
廉の事でも、励ましてくれるのは紫耀だった。
私は、紫耀に何かしらの形で、お返しができてましたか?
偽りの笑顔から本物の笑顔にするために私、頑張るから。
でも、紫耀はそれに応えてくれるかな。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。