第3話

ゲームしましょう、お嬢様
815
2021/04/26 15:10
ある昼下がり


昼食とおやつの間の時間


今日は天気が悪く、近くで雷が鳴る

たっつん
たっつん
また負けたぁ!
と、チェスの決着がついたとき、執事のたっつんは残念そうに叫んで椅子から立ち上がる
あなた

ふふん!
ゲームなら負けたことないからね

たっつん
たっつん
さっすがお嬢様!
よっNO.1!
と、たっつんは私を得意にする
あなた

もぅ〜
たっつんてば、私の扱い分かってるんだからぁ〜
ま、ほんとに凄いんだけどねぇ〜

で、私はそれにのる
たっつん
たっつん
あははは
あなた

ふふふふふ

私は執事のたっつんとよく遊ぶ
たっつんは性格が明るいからよくのってくれるし、面倒見がいいからよく一緒にゲームであそんでくれるの!
私、友達がいないんだよねぇ
お父様のお友達の歳が近い子供がよく来るんだけど、ちょっとしたら来なくなっちゃうんだよね


たっつんの眼帯が怖いのかな?w
よくたっつんのほう見て震えてたりしてるの
私が見る時はよく笑ってるんだけどね‪





2人の笑いが収まりかけたとき、たっつんは椅子から机の横に立ち、パンッと1回手を叩く
たっつん
たっつん
では!
ゲームも終わった事ですしそろそろ勉きょ
あなた

あっ!!
たっつん!ちょっとまって!
こっち!次はこっちをしよう!!

と、勉強をしたくない私はドアに体を向けようとしたたっつんに向かい、焦って言う
たっつん
たっつん
・・・・・・
あなた

・・・・・・

ドキドキ

ちょっと顔をしかめながらこっちを見つめてくる
たっつん
たっつん
勉強は?
と、疑うようにに聞いてくる

すかさず私は引き止める
あなた

……っ
するよっ?
でもでも、これ!これが終わったらするよ!

たっつん
たっつん
・・・・・・ホントですよね?
あなた

ホントホント!
これやったらやる気でる!

たっつん
たっつん
・・・・・・
あなた

・・・・・・

ドキドキ

やらないって嘘バレた…?
たっつん
たっつん
……はぁ
分かりましたよ
1回だけですよ
あなた

やったーー!!

セーフ!!

思わず立ち上がってしまった
たっつん
たっつん
それで、何をするんですか?
と、言いながら再び椅子に着く
あなた

あ、これこれ!

私は席を立ち、部屋のビューローへ向かう
ビューローの引き出しの中から箱を持ち出し、席へ向かう
これは私の婚約者のエヴァン様に教えて貰ったの
教えて貰ってて良かったー!
たっつん
たっつん
なんですか?これ
見たことないですね
と、たっつんは見るなり首を傾げる
あなた

これね、エヴァン様から教えて貰ったの

たっつん
たっつん
……
たっつん
たっつん
エヴァン様ですか
あなた

う、うん
そうだよ

たっつん
たっつん
いきなりですが、お嬢様はエヴァン様とご婚約されていますがそれには賛成されていますか?
あなた

え、ええ
そこそこカッコよかったし

たっつん
たっつん
へぇ
そうですか
ビクッ

え、何?
声低いしジトっとこっちを見つめる
何かたっつん


怖い
突然たっつんはガタッと椅子を音立てて立ち上がり、ペコッと頭を下げた
たっつん
たっつん
本っ当にすみません!
ちょっとやらなくちゃいけない仕事を思い出しました!
声のトーンはいつも通りに戻っていた
私は、たっつんがこちらを振り返り、ポソッと何か言ったのを気づかなかった
たっつん
たっつん
すみません♡
あなたお嬢様
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
数日後
私は遠くの領地にいるお父様からの定期報告の手紙を受け取った

その手紙に書かれていたことは、とても信じられない事だった
あなた

たっつん!たっつん!

手紙を握りしめて部屋のドアを開ける

たっつんはちょうどドアをの前にいた
たっつん
たっつん
はい?どうされました?あなたお嬢様
あなた

エ、エヴァン様が、

あなた

暗殺されたって

たっつん
たっつん
!!
あなた

う、嘘…
なんで?

たっつん
たっつん
………
たっつん
たっつん
そうですね
たっつんはいきなりにこっと笑った
あなた

え、ええ?
なんで笑うの?

たっつんがにこにこしてる意味が分からなくて聞く
たっつん
たっつん
それはですね
たっつん
たっつん
俺か殺ったからですよ
たっつんはにこにこ微笑んでいた
あなた

!!!

驚いた私はたっつんに肩をポンと押され、ふらついて数歩下がったところで部屋に入れられてドアを閉められた
たっつん
たっつん
ちょうどタイミングが合いまして!
婚約者様は絶対邪魔だからいつ消そうか迷ってたんですよね〜
あなた

はぁ…?
何言ってるの

たっつんが、こっちを見つめながら続ける
たっつん
たっつん
だから邪魔なんですよ
俺とお嬢様の間は誰もいらないんですから
たっつん
たっつん
だから来る人来る人潰すの頑張ったんですよ〜
たっつん
たっつん
ねぇあなたお嬢様
たっつん
たっつん
もう俺とお嬢様の2人だけなんです
ずっとずっと俺だけのお嬢様になったんです
たっつんが怯えて身動きがとれない私の首に手を伸ばす
たっつん
たっつん
だからいつまでも一緒にいましょう
お嬢様♡

プリ小説オーディオドラマ