濵田side
流星がメイクしている俺らのところに
勢いよく走りながら部屋に入って来た。
「あなたが苦しみ出した。来て欲しい。」
季節が変わり目の時よく風邪を引きやすいあなた。
喘息を持っているから風邪引いたら
よく発作も起きやすい。
胸を苦しい時もあるらしく
今日はもしかしたら胸かなって思った。
そしたら案の定
淳太の腕の中でぐったりしているあなたを見て
胸を痛めたんやなってすぐに分かった。
水を飲ませようとしたけどどうやら失敗
してもうたらしい。
でも流石に咳し続けとると
あなた自身も辛いやろうから
水を飲んで欲しいけど
きっとまた戻してしまうやろう…。
そんな偶然ある訳ないか…。
と思っていたが
紙パック飲料をここに来る前に
コンビニで買ったらしい神ちゃん。
まだ口にしていないらしく
ストローもまだ開封前。
出際のいい神ちゃんが
楽屋にあった紙コップに水を入れ
ストローを指したものをあなたの口に近付けた。
ゆっくりやけど神ちゃんから貰った水を飲むあなた。
水を飲めたことに安心していると
B.A.Dの2人が帰ってきた。
あなたは俺が支え、マネージャーの車に
乗り込んで、そのまま病院に行った。
胸が痛いと、病状を伝えると顔色を変えて先生は
検査が必要やと言ってそのままあなたは
検査した。俺は呼ばれるまで外で待ってろと
言われたのでメンバーが待っている廊下に戻った。
望は自分に問いかけるように「大丈夫」と言って
元気を取り戻していた。
望を励ましつつあなたを待っていたら
案外直ぐに終わって先生が俺の事を
呼びに来た。
中に入って椅子に座ったら
直ぐに先生が口を開いた。
医師「マイコプラズマ肺炎の前段階です。」
医師「胸が痛いのと発作が出ていたので
入院が必要なのですが…仕事は平気そうですか?」
医師「そうですね…まだ熱はないものの
これから急に熱が上がったりするので
少なくとも1週間近くは…。」
1週間…
Mステに出れるか出れないか。
初披露の新曲をMステで披露する予定。
あなたもこのMステを楽しみにしていた。
医師「構いませんよ。それか
ここに連れてきても構いませんよ?笑」
廊下に出て取り敢えず
淳太と照史を呼んだ。
すると恐る恐る、しげも名乗りあげた為
しげも一緒に中に入れた。
医師
「1週間位の入院が必要で…
仕事とか大丈夫かなと思いまして。」
あれから俺と同じ説明を受けた他の3人も
俺と同じ反応をしながら先生の説明を聞いていた。
そしたらやっぱり俺と同じ所で顔色が変わった。
医師「かしこまりました。
こちらこそ、よろしくお願いします。」
お互い頭を下げて4人で部屋から出ると
弟組が心配した顔で外で待っていた。
受付も終わって本来ならそのまま
あなたに会おうと思ってたけど
あなたも疲れてると思うから会わないまま
マネージャーの車に戻った。
車内ではマネージャー含めた全員に
改めて淳太から説明をした。
誰もが悔しかったけどあなたのためやと思って
あなたを入院させた。
一番最初に俺のことを家に届けたマネージャー。
お疲れ様と一言かけて車の扉を開け
家に入った。
特に何もすることが無くて
ただただソファーに座りながら
日が沈むのを待っていると
ズボンのポケットの中で震えている携帯を
取り出した。
液晶画面に表示されてたのは俺の相方からの連絡を
知らせる物やった。
〜LINEより〜
落ち込んでるかと思ってたけど
案外そうではなかった。
体は弱くても心は強い。
あなたはいつもそう。
俺らが思っているよりも強くて逞しい。
誇らしい相方やで。
でもここだけの話
その日の夜に、寝れへん〜〜!!言うて
寝落ち電話に付き合ったのは秘密。
心は強い分、少し寂しがり屋。
可愛いやろ?俺の相方。
まぁ、なんだかんだ言って
朝俺も寂しくなって入院道具を持ってきた理由で
あなたに会いに行ったのもここだけの話…。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。