濵田side
朝、カーテンの隙間から漏れた太陽の光で
目が覚めた。
ベットから降りて、机の上にある
写真立てを手に取り、おじさんにおはようと
心の中で言って、机の上にもう一度置く。
部屋を出て、リビングに繋がる廊下を歩き
リビングへと繋がる扉を開く。
まず、目に入ってきたのは
ソファー下で仲良くうずくまって寝ている
流星としげと神ちゃん。
ソファーには神ちゃんの上着と淳太の上着を
布団代わりにして被って寝ている望。
寝が入りする度に望は幸せそうな顔をして
寝ている。
キッチンには、淳太と照史が。
珍しいな、大体こういう時って
神ちゃんが居るんやけどな…笑
照史が主に朝ごはんを作って
淳太はご飯作れないから、照史の手伝い。
弟組はホンマに起きひん奴と声をかけたら
直ぐに起きてくれるタイプにハッキリ別れる。
まずすぐ起きるのは、しげと神ちゃん。
絶対に起きひんのは、流星と望。
まずは手っ取り早い、しげと神ちゃんを。
神ちゃんはぬくぬくと起きて、布団やらをたとみ、そのままキッチンへと行った。
しげは、騒いでる。
週間のランニングをサボってしまったらしい。
どうしよう、どうしよう、って。笑笑
凄いな。
あなたの名前でガバッと起きたよ、望。
どんだけ好きやねん、あなたのこと。
あなたの名前出したら起きるってことは
これから先、起きなかったらあなたの名前
出したらええんちゃう?笑笑
今の状況を説明しますとですね。
俺が肩を揺らしながら、流星を起こしました。
ただ、流星は、ん〜、と言って寝が入りをして
おっ!起きるのか!と思ったら…
寝たんですよ。
いや、寝んのかい!!
1人でツッコミしてたら隣に望が立って
流星に近付くと…
望に続いてあなたの名前を言えば起きるというのか…?
まぁでも、流星もあなたのこと好きやしな〜。
うお!起きた!
起きましたよ!皆さん!
あの流星さんが起きましたよ!!
テーブルの方に行けば
豪華な朝食が置かれていた。
どれもこれも美味しくて、全部食べ終わるのに
時間がかからなかった。
どこや?ちゃうくて、どれや笑笑
まぁ、迷うよな。
リビングの扉開けて、左右見たらドアドアドア。
なんて答えれば正解なんやろう。
別にあの写真が見られたら困るもんとか
そんなんちゃうくて、他にもあんねん。
あなたの思い出が詰まったあの部屋。
きっとメンバーがあなたの部屋を見たら声を揃えて
「んっ?」ってなるやろう。
沈黙が続いてた部屋にしげの声が響いた。
俺が抱えているもんは………。
ドアノブに手をかけてたのを辞め
皆の方へと向き直る。
それだけ伝えて、リビングへと出て
あなたの部屋に行き、Tシャツとズボンと下着類を手に持ち、またリビングへと戻った。
望に全てを渡して俺は携帯を持って
リビングから出て、あなたの部屋に戻る。
あなたの部屋に着いて電気をつけて
ベットに寝っ転がる。
ベットに寝っ転がれば、全て思い出す。
あなたのお父さんの全てを。
あの日のことを。
あの日から俺は何も変わってない。
成長すら出来てない。
前を向いて歩いていない。
俺がしっかりしてなかったから…
あなたは過呼吸を持ってしまったんかな…?
あなたのことで直ぐに相談できたおじさん、
でも気がつけば、空に輝く星になって…。
1番近くであなたのことを話した。
一番近くで一緒にあなたのことを見守った。
誰よりも、何よりもあなたを可愛がってた
おじさん。
でも、そのおじさんは今はもう光輝く星に…。
なぁ、おじさん
俺は前を向いて歩けていますか?
ちゃんとあなたを守れていますか?
ちゃんとちゃんとちゃんと…
1番近い空に願い
1番遠い星に願った。
こんなにも こんなにも 会いたいです と
おじさんと過ごした優しい記憶が
俺の涙を誘った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。