第205話

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2021/03/30 23:51
濵田side
俺の家に入れれば直ぐにソファに向かって
あなたはお気に入りのクッションを抱きしめて
ソファに寝っ転がった。
濵田崇裕
濵田崇裕
……寝るか?笑
金井
金井
………俺、なんか、……っ。
濵田崇裕
濵田崇裕
どうした?どうした?笑
大丈夫、大丈夫。
突然涙を流し始めたあなた。
俺もすぐ膝を着いて頭を撫でた。
金井
金井
………生きてて、いいのっかな……っ。
濵田崇裕
濵田崇裕
……生きててええんやって。
生きてて欲しいから。
俺はあなたが必要やねん。
どこにも行くな。
……な?
金井
金井
………っ、たかっ、
濵田崇裕
濵田崇裕
大丈夫、大丈夫やから。
俺らおるから。
俺もおるから。
のそのそっと起き上がったあなたは
そのまま倒れ込むように俺の胸に飛び込んできた。
俺も直ぐに受け止めてあなたを抱きしめた。

遠慮がちにあなたの腕も俺の背中に回った。

















しばらく抱きしめていたら
いつの間にか寝ていたあなた。

起こさないようにゆっくり
ソファに寝かせてお気に入りのクッションを
手に握らせてあげて
俺はご飯の準備をした。















冷蔵庫に入っている食材を全部出して
足りるご飯を携帯でレシピを探して
あなたが好きなご飯を作ろうと決めて
携帯の手順通りにご飯を作っていた時
金井
金井
……っ、たか!
濵田崇裕
濵田崇裕
はいはーい?
居るよ!こっち!笑
ガバっていう効果音が付きそうな起きた後
俺の名前を呼んだから直ぐに台所から
声を出せばあなたは走って抱きついてきた。
濵田崇裕
濵田崇裕
どうした?
…大丈夫、大丈夫。
俺おるから。
金井
金井
………よかっ、た。
……もう、1人に、せんでっ。
濵田崇裕
濵田崇裕
せぇへんよ。
大丈夫、大丈夫。
背中を一定のリズムで優しく叩けば
ギュッて強い力でもっと抱きついてくるあなた。
金井
金井
………こわっ、かった。
濵田崇裕
濵田崇裕
……おん。
金井
金井
………まっくら、っで
だれかにっ、なぐられたっ。
濵田崇裕
濵田崇裕
……大丈夫、全部全部守ったるから。
金井
金井
………っ、たかっ。
濵田崇裕
濵田崇裕
大丈夫大丈夫。
怖い夢を見たと話してくれたあなたを
俺はあなたを1人にしないという意味も込めて
抱きしめた。




金井
金井
……んっ、もういい。
暫くすれば俺から体を離したあなた。
顔色も良くなっていた。
濵田崇裕
濵田崇裕
そか。ならよかったわ。
どうする?テレビ見ててもええで?
金井
金井
崇裕は何するん?
濵田崇裕
濵田崇裕
俺はご飯作るで?
金井
金井
……じゃ、俺も手伝う。
濵田崇裕
濵田崇裕
それはありがたいな笑笑
男2人台所で並んでご飯を作る。

久しぶりな感じで懐かしかった。
金井
金井
……懐かしいな。
こうやって崇裕と一緒に
飯作るって。笑
濵田崇裕
濵田崇裕
俺も同じこと考えてたわ。笑笑
Jr時代に1ヶ月に1、2回あったかくらいの
一緒にご飯を作る期間。
作っている間はお互いの最近の面白い話や
先輩のモノマネ、好きな歌を歌ったり
ずっと飽きない時間だった。























ご飯を食べ終えた後
俺がトイレに行って戻ってきた時
リビングからあなたが誰かと電話している
声が聞こえた。
静かにリビングに入ればまだあなたは
俺には気付いておらずずっと電話をしていた。

電話が終わったのは数分後くらい。
電話が終わって声をかけようとしたら
あなたは急いで荷物をまとめ出した
濵田崇裕
濵田崇裕
どうしたん?
どっか行くん?
金井
金井
……っ、うん。
ちょっと呼ばれてん笑笑
濵田崇裕
濵田崇裕
俺も行くわ。
場所は?どこ?
金井
金井
大丈夫大丈夫!笑
何か楽屋に
俺の忘れ物あったんやってさ。
スタッフさんが教えてくれてん。
濵田崇裕
濵田崇裕
車出そか?
金井
金井
いや、ええよ。
マネージャー呼ぶ。
濵田崇裕
濵田崇裕
ホンマに平気?
金井
金井
平気平気。
そしたらそのまま家帰るわ。
濵田崇裕
濵田崇裕
……分かった。
気ぃつけてな?
金井
金井
おん!ありがとう!
お邪魔しました!
玄関まであなたを見送って
俺はマネージャーに一言連絡して
皿を洗った。





























あの時俺は何があっても
一緒に行けばよかったんや。

後悔してももう遅いかも知らんけど……。



この日あなたは



































誘拐された。

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