中間side
濵ちゃんに教えてもらった病院に着き、
濵ちゃんたちを探す。
看護師さんに、聞けば治療室の方にいるとか。
俺たちも治療室の方に向かうと
濵ちゃんと神ちゃんが椅子に座っていた。
濵ちゃんが言葉を詰まらせた。
1番そばに居て
1番辛いことが誰よりも分かって
1番そばにいたくて
1番頼って欲しくて
1番悩んで
1番 1番最初に異変に気が付いて
1番 1番最初に異変に気が付きたくて
相棒やから。相棒やから何でも知っとかなあかんやん…。
Jrの頃に濵ちゃんが言ってた。
「相棒やから。」
相棒やからあなたの辛さを分かち合いたい
相棒やからあなたの小さな変化に気が付きたい
相棒やからあなたのそばにいたい
1番あなたの持病のことに調べに調べた
濵ちゃん。
もしあなたが発作で苦しんだらどうしたら安心してくれるのか。
Jrの頃から俺たちはあなたの苦しい顔を見てきた。
でもその時は必ず、濵ちゃんが側にいた。
そのお陰であなたも笑顔になれた。
でも今は濵ちゃんだけじゃない。
あなたには沢山の人が近くにいる。
ここにいる皆、あなたの味方やし、
なにかしてあげたいと思っているから…。
廊下であなたを待つ間も
俺ららしく賑やか。
看護師
「あの、金井さんの付き添いの方どなたかお越し出来ますか?」
看護師さんが1人出てきて
椅子に座っている俺らに声をかけた。
濵ちゃんと2人で治療室に入る。
他のメンバーは照史と一緒に待ってもらう。
治療室に入ると、
酸素マスクをしたまま寝ているあなたの姿。
すぐさま濵ちゃんはあなたの方へと行き、
手を握った。
看護師
「喘息の発作が酷かったので、点滴と酸素マスクをしています。目を覚ますのはあと数時間でしょう。怪我は軽傷です。飲み物とか染みると思いますのでご注意お願いします。」
看護師
「あと少ししたら病室に運びます。準備が出来たらまたお伝えしますので、先程の所へお待ち下さい。」
濵ちゃんだからこそ、思うこともあるもんな。
Jrの頃に見たことがある。
練習のし過ぎで急に倒れたと思えば
プレッシャーに押し潰されて過呼吸起こして
上手く呼吸出来ずに皿に不安になり、
喘息も出た。
初めてが重なり俺らは見てるだけ。
救急車に運ばれていく姿を見ているだけ。
そんなことがあったから
余計に不安になることもある。
俺らがもっとちゃんとあなたを見てあげないと。
濵ちゃんだけが背負わせるものでは無い。
俺らで支えて行かなあかん。
濵ちゃんを見れば
何かを決意した表情。
濵ちゃん、俺らにもあなたを守らせてな?
そう思い、皆が待つ廊下へと出た。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。