第107話
team ジャニーズWEST
金井side
アイツが正面玄関を突破したということは
俺らの、いやマンション込での
ゲームがスタートした。
このマンションはあらゆる所に防犯カメラが
設置されている。
このマンションはこのマンションに住んでいる
住人本人とその住人の友達の登録がなければ
このマンションには入れない。
本来なら、赤の他人が入ってきたら
正面玄関に大きな音が流れ、直ぐに警察が来るのだが、今は正面玄関で流れる防犯ブザーが
故障で鳴らないため、誰でも自由に出たり入ったり出来る。
だが、防犯カメラにはあらゆる情報が仕込まれているため
その情報外の人物がカメラに映ったら
自動的に警察に報告が行くという
なんとも優れた防犯カメラが各階とエレベータ、階段とマンションのあらゆる所に設置されている。
つまり今はもう、アイツは防犯カメラに
堂々と映っているから警察に報告が行っている
だろう。
そんなことを知らないアイツは堂々と
俺の部屋に向かっているであろう。
すると、部屋のインターホンが鳴り
アイツが来たことを告げた。
なるべく声を作る。これも作戦の1つ。
ドアを開けてからも作戦がある。
きっとアイツは俺に抱きつく。
抱きつくような素振りを見せた後に
ドア付近に設置されているカメラに
俺が推しされたように見せる。
俳優、金井あなた。見せますか。
ほら来た。
そのまま抱きついてきてカメラには
俺が着き押されたように見せる。
「聞こえてもいい」って言うよりも
「聞こえなくちゃいけない」って
言った方がええかな。
右の部屋には、兄組、左の部屋には弟組が
待機している。
グループメールの無料電話で
全員に俺の声が聞こえるようにしている。
俺の両隣の部屋の方は仲良くさせてもらって
いるため、今回のことも話したら
直ぐに了承してくれた。
俺は女に近付いて、耳元でこう言った。
女から離れ、多分今までで1番怖いであろう
笑顔を女に見せる、すると急に大人しくなり
ペタンと床に座った。
すると玄関が空いて、メンバーが入ってきた。
崇裕を先頭に俺以外のメンバーが全員に入ってきた。
崇裕はソファーまで俺の肩を支えながら歩いてくれた。
崇裕だけやもんな。
過去に何があったのか知っているの。
その時だった。
そう言って、女は持っていたカバンから
ナイフや拳銃やらを
俺に向けた。
隣にいた崇裕が俺の前に立ち、俺を守る体制に。
他のメンバーも、ぞろぞろと俺の近くに来た。
その時だった。
女がナイフを持ってこっちに走ってきた。
前の崇裕が俺を抱きしめるように守ってくれた。
でも、俺はメンバーを傷付けたくない。
そろそろ来ると思うから。
マネージャーと警察が。
来なかったら俺が犠牲になればいい。
俺は崇裕を振り払い、女の前へ。
俺は左足を刺された。
指した本人の女が動揺している。
照史と大毅が俺が刺された所の手当をして、
淳太が、望の相手。
流星と智洋と崇裕は…?
抑えかかりそうな勢いの崇裕を流星と智洋が宥める。
その時やった。
警1「警察です!動かないで下さい!!」
警2「あなたさん、救急車呼びましたので、
運びます。」
数人の警察とマネージャーが入って来た。
マネージャー
「あなた!!」
段々と意識が朦朧していくのが分かった。
崇裕がこっちに来て、俺の手を握った。
救急隊員が担架を持って入ってきて
俺はその上に乗る。
崇裕と照史と大毅とマネージャーが
担架に続いて歩いて来る。
マネージャー
「あぁ、病院分かったら連絡する。」
ぎゅっともう一度強く
崇裕の手を握った。
そこで俺は意識を無くした……。