無料ケータイ夢小説ならプリ小説 byGMO

第167話

霧の中
金井side
目の前は薄暗い。
まるで「霧の中」に1人でいる感覚。

誰かが俺の名前を呼んでいる。
ただその肝心な「誰か」が分からない。
声も遠く感じ、顔も分からない。

でもある感覚が分かった。
誰かが俺の手を握っている。
力強く、俺の手を握っている。
まるで俺が遠くに行かないように離さないように
強く、強く阻止している感じ。


寝ている俺でも分かってしまうのか病気なんやろか。

この手が誰の手なのか。

確認するために ゆっくりと目を開けた。
金井
金井
…痛い、崇裕。
濵田崇裕
濵田崇裕
っ!?あなた!!
ほらやっぱり、この手は崇裕の手。

ゴツゴツしてる分、安心する手。
小瀧望
小瀧望
〜〜〜〜あなた!!!
金井
金井
痛い痛い笑笑
飛びついてきた望を骨折していない方の腕で
受け止める。

涙でグチョグチョの望の顔を見て胸が痛くなった。

今気付いたけどベッドの周りにはメンバー全員が
揃っていた。
金井
金井
…ごめん。迷惑かけたな。
遠かったやろ?態々おおきにな。
…もう帰ってええから。疲れたやろ?
しばらく抱きしめていた望の背中をポンポンと
優しく叩くと望は更に強く俺を抱きしめた。
金井
金井
望〜?
小瀧望
小瀧望
いーやー。
金井
金井
望、なしたん?
小瀧望
小瀧望
…迷惑ちゃうの。
それに、帰りたない。
疲れたけどここで寝る。
あなたと居る。
あなたに甘える。
あなたを笑わす。
金井
金井
何言ってんねん。
疲れたんなら風呂入って
疲れとらな。笑
小瀧望
小瀧望
…あなたを置いてなんて
帰られへん。
もう、のんちゃん眠い。疲れた。
そう言って本当に静かにスースーと寝息を立てた望。
金井
金井
…まじか。
中間淳太
中間淳太
もぉー、のんちゃん。
重いよな。退かすわ。
静かに淳太が望を退かそうとするが
更に望が抱きついてきた。
…腕が地味に痛い。笑
濵田崇裕
濵田崇裕
代わるわ笑。
望〜?あなた痛いから。
膝枕したるから、ソファー行こ。な?
優しく肩を揺らして起こす崇裕。
「膝枕」というワードに負けた望は
ノスノスと起き上がりソファーに崇裕も連れて
ゆっくりと歩いて寝っ転がった。
重岡大毅
重岡大毅
…痛い、よな。
金井
金井
せやな。
…あっ!大毅!俺の携帯貸して。
重岡大毅
重岡大毅
何するん?
金井
金井
連絡すんねん。女優さんに。
渋々大毅はマネージャーから俺の携帯を貰って
そのまま俺に渡してくれた。

俺も携帯を受け取ろうと手を伸ばしたが
誰かの手が伸びてきてそのまま携帯は
その誰かの手の中に包まれた。

誰か気になり顔を上げると
眉を下げた照史が立っていた。
金井
金井
返して?照史。
桐山照史
桐山照史
…ダメや。
金井
金井
なんで?
桐山照史
桐山照史
今は!!
今は自分のことを心配して欲しいねん。
相手は無傷やから。
監督達が事故の経緯説明しに
ここに来てくれて…。
その時あなたが守った
女優さんも居ったから。
俺と濵ちゃんと淳太くんは
ちゃんとこの目で見た。無傷やから。
何も心配いらんから…。
…だから休んでや?
痛いやろ?左側全般と頭。
打撲で済んだ右手は優しく照史の大きな手に
包まれた。
桐山照史
桐山照史
大丈夫や。皆おる。
しげも、淳太くんも、流星も
濵ちゃんも、望も、勿論俺も。
ちゃんとそばにおる。やから休んで。
金井
金井
照史…。
桐山照史
桐山照史
痛いって言って甘えてええんよ。
俺はあなたちゃうけど
その包帯とギプス見るだけで
痛いって思うもん。
俺が思ってるってことは
あなたも思ってるんちゃう?
痛いって。
痛いじゃ済まない位、痛いんちゃう?
麻酔が切れて起きたから頭も左側全般も
声を出したくなるほど痛い。

無意識に右手が照史の手を強く握ってた。
そしたら照史も握り返してくれた。
桐山照史
桐山照史
先生呼ぶからな?目瞑っとき?
痛かったらまた手握ってええから。
…神ちゃん、ナースコール押して
先生呼んで?
神山智洋
神山智洋
おん!
…あ!起きたんですけど
痛み出したらしく…
はい、はい!お願いします。
…先生すぐ来るって。
それだけ伝えるとベッドからちょっと遠くにある
タンスからタオルを持ってきた智洋は
そのタオルを俺に渡してくれた。
神山智洋
神山智洋
握っとって?
何か照史の手遠慮してるように
見えるから。
これやったらどんなに強く握っても
赤くなったり爪の後とか残らんから。
やから、はい!
照史の手を優しく退かして右手に柔らかいタオルを
渡してくれた。
金井
金井
ありがとう…。
神山智洋
神山智洋
おん。
照史と智洋は俺のそばに居て
たまに強くタオルを握るたびに
大丈夫やで、もうすぐ先生来るからなと
励ましてくれた。






その後痛み止めも強めの点滴を手にした
看護師と先生が入ってきて

俺はまた瞼を閉じた。


瞼を閉じる前に流星と大毅の
安心した笑顔が見れた気がした。