第197話
⑤
神山side
濵ちゃん達と話して割と直ぐにあなたは寝た。
すると濵ちゃんはゆっくり立ってそのまま
あなたが寝ているソファまで行って
ぐちゃぐちゃになったブランケットをかけ直しつつ
あなたが持っていた香水を優しく離して
蓋を閉めて机の上に置いた。
隣にいたしげは真剣な眼差しで濵ちゃんを見ていた。
濵ちゃんがいきなり震えながらそう言った。
ズボンの上で力強く握られてる拳は震えていた。
そのまま濵ちゃんは姿勢を正して
また静かに寝ているあなたに視線を移して
俺らを見渡した。
きっとこれから濵ちゃんが俺らに言う事を
全て知っているしげは直ぐにあなたのそばに
向かった。
濵ちゃんは俺らの顔が見やすい場所に移動して
自然に1:6という形の座り方になった。
それから俺らは耳を塞ぎたくなるような事を聞いた。
あなたの父親が拳銃で殺されたこと。
お父さんが殺された時に濵ちゃんもあなたも
あなたの家族も全員いた事。
…その犯人はまだ捕まっていないこと。
あなたが持っている香水もお父さんのもの。
全て教えてくれた。
隣の照史と淳太は顔をより一層怖くしていて
のんちゃん至っては号泣で
流星は涙を堪えていた。
確かにデビューしてからというもの
全然そんなアンチとかストーカーとか
そんなの全くなかったけど
7年目に差し掛かった瞬間から
あなたへのアンチやストーカーとか
更には体までの被害が出てきた。
そんな…。
そんな事出来るんか?でもなんであなたなんや?
B.A.Dが濵ちゃんの隣に立って肩を組み
ツインの2人も同じように立って周りに行った。
俺も遅れて濵ちゃんの周りに行った。
…勿論しげも。
滅多に泣かない濵ちゃんが今日
照史に抱きしめられながら泣いた。